金沢・百万石通りに進化系ホテルが続々開業、豪華すぎる「ロビーサービス」の全貌

観光都市として大いに賑わいを見せる古都・金沢。特に2015年の北陸新幹線開業以降は注目度も高くなり、訪日外国人旅行者も増加しました。それに呼応するかのようにホテルも激増し、シティホテルからビジネスホテル、簡易宿所に民泊とカテゴリー入り乱れての集客合戦となっています。


金沢市外のホテル立地をみた場合、駅周辺と百万石通り周辺から片町辺りが注目エリアです。新幹線の開業で駅周辺がホテル開業ラッシュになるのはよく見られる光景ですが、金沢もご多分に漏れず表玄関である駅東口に加え、西口にも新規参入ホテルが増加しました。また、近江町市場や兼六園、繁華街である片町などを通る百万石通りにも新たなホテルが多く誕生しました。

その多くは宿泊主体のホテルで、いわゆるビジネスホテルが多くを占めます。ビジネスホテルといえば機能性が重視され、デラックス感やデザイン性などは二の次というイメージでしたが、最近では進化系ビジネスホテルに代表される、もはやビジネスホテルというには躊躇うような施設も多く見られます。

最近、百万石通り沿いに開業した人気の3ホテル「ホテルインターゲート金沢」「ホテルフォルツァ金沢」「アゴーラ・金沢」へ早速取材へ出向きましたが、まさにそのようなタイプのホテルです。それぞれ金沢の雅にフィーチャーしつつ、快適なステイを追求していますが、共通点として“コーヒーへの気遣い”“無料のロビーサービス”という宿泊者限定のサービス提供が印象的でした。それぞれ紹介したいと思います。

百万石通りの街角

ホテルインターゲート金沢(2019年3月16日開業)

武蔵交差点から百万石通りを片町方面へ進んだ金沢城跡に近い立地。明るく開放的なロビーラウンジ(インターゲートラウンジ)には欧米系の訪日外国人旅行者が目立ち華やかな雰囲気。客室は機能的ながらセンスの高さが光ります。

デスク周りなどの使いやすさも抜群。大浴場を設けているので散策で疲れた体も癒やせます。

インターゲートブランドは東京、京都などでも展開されていますが、特徴としてラウンジにて時間帯に応じ様々なサービスを提供している点が挙げられます。

コーヒーはスタッフの手により淹れられます。朝食時にもサーバーから薫り高きコーヒーをテイクアウトできました。

ホテルフォルツァ金沢(2019年10月1日開業)

近江町市場に近い武蔵交差点至近という立地。九州で人気を博するブランドが金沢へ進出しました。ホテルフォルツァブランドに共通するのは質感の高い客室。オリジナル家具は落ち着いた雰囲気で、ベッドのホールド感に至るまでゲスト目線が光ります。大浴場はありませんが、その分客室のバススペースは充実。

ロビーは大通りに面し窓を大きく取った明るく開放的なスペースです。16時~20時の間にワインや地酒をフリーフローで楽しめます。簡単に操作できる装置で一定量がサーブ可能(開業記念につき期間限定)。

既存の店舗でも質の高いコーヒーを提供していましたが、こちらでも定評のあるブルーマチックコーヒージャパンのマシンを導入。

アゴーラ・金沢(2019年11月1日開業)

金沢を代表する繁華街である片町の交差点至近に開業しました。現代的なセンスの中に金沢の雅を織り込んでいます。

レセプションのある2Fには宿泊者専用のラウンジが。「まごごろにふれる茶邸 誇り高いセンスと傾奇く心意気」というコンセプトは、茶釜から点てた抹茶にもあらわれています。

抹茶は和菓子と共に愉しめ、日本文化に触れる体験が出来ます。もちろんコーヒーへの気遣いも抜群。その他、無料ドリンクサービスも充実しているので、金沢の雅を感じつつゆったりとロビーで過ごすことが出来ます。

また、金沢を中心に活躍する工芸家の作品も展示、実際に購入することもできます。大浴場(パブリックバス)、ウォークインでも利用できるスパトリートメントを設け、宿泊主体型への差別化トライを感じます。1FのDining SohZa(ダイニング・ソウザ)で提供される朝食は圧巻の一言。


金沢の新しい3ホテルをロビーサービス中心に紹介しました。各ホテルとも、趣向を凝らした仕掛けがあり、中でもドリンク、特にコーヒーへの気遣いが印象に残りました。コーヒーとホテルの親和性は高く、コーヒーに気遣うホテルが多くなりました。金沢のホテルでコーヒーが印象的だったのは、古都にもコーヒーの香りはよく似合ったという理由もあるかもしれません。

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