【動画】東彼杵郡・片島魚雷発射試験場跡 戦争と平和、浮かび上がる

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軍事施設の遺構がたたずむ片島魚雷発射試験場跡=川棚町三越郷

 長崎県東彼川棚町三越郷にある片島魚雷発射試験場跡は、約100年前の1918(大正7)年に開設された軍事施設の遺構。波静かな大村湾を望む海辺に、コンクリート製の複数の廃虚が潮風を受けてたたずむ。
 佐世保海軍工廠(こうしょう)で製造した魚雷の性能を検査し、合格した製品を佐世保鎮守府に納めた。太平洋戦争が始まると町内に川棚海軍工廠ができ、「地元産」の魚雷も運び込まれた。
 小さな農漁村だった川棚は、戦争をきっかけに人口が急増し、発展した歴史を持つ。試験場跡は町内の遺構の中で最も古く、軍事のまち川棚の「始まりの場所」でもある。
 朽ちた建物を青々とした植物が覆い、戦争と平和のコントラストが浮かび上がる。近年は独特の景観が話題となり、観光客や修学旅行生も訪れる。5年前から遺構内をキャンドルで照らす「竹灯籠まつり」を主宰する三好史朗さんは「過去を振り返り、未来の平和を考える場所になってほしい」と願う。