「佐賀ミライツアー」から1年半。新しい挑戦が始まる

×ITで伝統文化の都市に変革が!?佐賀県で始まる新しい“兆し”

2018年3月、佐賀県とシビレでITを軸に事業を展開する企業5社との視察ツアーを開催しました。このツアーの目的は、佐賀県がもつ伝統や文化などのポテンシャルを十分理解したうえで、自社のビジネスとどう絡められるか、どんなイノベーションが起こせるのかを知ること。参加企業や行政職員、地元の人たちを含め参加者が全員「何をすべきか」という当事者意識をもって考えてもらうツアーとなりました。

その結果、1社の拠点立地が決定。その流れを皮切りに、都内に拠点をもつ企業の拠点立地が決まるなど、新しい風が吹き始めました。

2018年3月に実施した「佐賀ミライツアー」にツアー参加したエンザントレイズ社が、伊万里市に立地を決めた

今回は、「佐賀ミライツアー」から1年半が経過した佐賀県の今をレポートします。

個性ある5エリアに「×IT」すると、どんな化学変化がおきる?

具体的な取り組みとしては、県外企業のスピーディな拠点立地を可能にするための場所を確保(オフィス用のスペースの新設)するなど、受け入れ態勢を強化。
さらに今年度は、都内におけるイベントを開催したり、現地ツアーも実施していくなど、県を挙げて「IT企業を受け入れる」情報発信および体制づくりに力をいれています。

この10月、シビレでは佐賀県に緊急訪問し、現地の変化を調査。さらに、伊万里市で開催された「トンテントン祭り」で地元の人たちへのアンケート、東京都内でも「佐賀県に関する意識調査」を実施し、今、佐賀県がどう変わってきているのかを複合的に調べてみました。

陶器が地面に埋まり、有田焼が身近にあるーー有田町の街並み

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東京から見た「佐賀県」の印象は?可能性や課題を調査!

シビレが都内でのイベントで独自に調査したアンケートでは、佐賀県のイメージについて「伊万里焼」「吉野ヶ里遺跡」「お笑い芸人のはなわさん」「日本酒や果物が美味しい」など、全国的に知名度のあるシンボルがいくつも存在していることが再認識されました。
他にも、アニメなどのサブカルチャーとのタイアップによるプロモーションを多く行なっているということにも、好意的な印象を持っているようでした。

それとは対照的に、「佐賀県についてよく知らない」という意見も多く、これからさらなる情報発信が求められていることもわかりました。交通の便の改善を求める声もあり、心理的にも、物理的にも距離を感じてしまうようです。

県外から企業が注目する伊万里市。出身者は市の課題をどうとらえる?

「佐賀ミライツアー」をきっかけに、県外のIT企業が新拠点を立地した伊万里市は、実際なにか変化はあったのでしょうか。
シビレが10月に再訪問した時は、1年半前とは企業受け入れへの積極姿勢に変化があったように感じられました。
訪問当日、アイデアソンを実施し、いかに他県に伊万里市の魅力を知ってもらうかということを議論。そこでは、県外へ出ていった若者たちも数多く参加する10月開催の大規模な催し「トンテントン祭り」で、「何があれば伊万里市に住みたくなるか」現地調査することが決まり、さっそく実行することに。
その場でアイデアから決定事項をつくり実施する流れは、さながらベンチャー企業のスピード感でした。

伊万里焼きが有名で、外の企業の受け入れに積極的な姿勢ーー伊万里市

アンケートに答えてくれた出身者含む地元の人たちは、伊万里市のことを深く知るからこそ、具体的な意見が多く寄せられました。

特に多かったのが、「若者が集まるまち」を望む声。若者を呼び込むためには雇用が必要で、企業を誘致することが重要という見方は一致していました。
他にも、年代問わず参加できるイベントや、若者が楽しめるような施設づくりを進めるべき、との回答もみられました。そして何より、この伊万里市の魅力を他県のより多くの人に知ってもらいたいとの熱い想いが回答から感じられました。

佐賀県はいま、外の風を取り込みながら大きく前進をしようと様々な施策をうち、実際に新しいコトが続々と始まっているタイミングです。

そんな佐賀県では、できあがった状態に乗っかって事業をスタートする人よりも、ベンチャーマインドをもち、新たな事業を生み出したい人や企業を求めています。そのための心強い行政支援もあります。

佐賀市の街並み

コスメティックバレーとして有名な唐津市

お茶と温泉の文化が根付く嬉野市

佐賀県では今年、長年培われてきた伝統や文化を生かし、新たな価値を共に生み出す伴走者として、一緒に未来をつくる企業を探していきます。

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