「勝ち負けだけではなく、他者の幸せを考えるきっかけに」 佐世保尚武館のチャリティー活動45年に 空手道大会収益の一部寄付

生徒たちに空手の指導をする廣之氏(右)とより子氏=長崎県佐世保市、佐世保尚武館

 長崎県佐世保市戸尾町の「沖縄空手道首里手松林会尚武館道場」(佐世保尚武館、安里(やすさと)廣之館長)のチャリティー活動は、今年で45年を迎えた。毎年少年少女の空手道大会を開き、収益金の一部を寄付。副館長の安里より子氏は「チャリティー活動は、継続することに意義がある。生涯続ける決意」と語る。

 1952年に先代の撰行(よりゆき)氏が道場を設立。1975年に娘のより子氏と、夫の廣之氏が受け継いだ。より子氏は、空手の暴力的なイメージを払拭(ふっしょく)したかった。

 文武両道の精神を表現するため、1975年9月に「松林会チャリティー少年少女空手道大会」を初めて開いた。毎年9月に開いている。プログラム冊子の売り上げや、保護者のバザーといった収益金でスポーツ用品や本を購入し児童養護施設などに寄贈。1979年からは佐世保市福祉基金への寄付を続ける。これまでの寄付総額は335万円に上る。

 廣之氏は「勝ち負けだけではなく、他者の幸せを考えるきっかけになってほしいと思って、この大会を開いている」と話した。

 佐世保尚武館は、「いきいき茨城ゆめ国体」の少年男子組手個人で4位入賞を果たした県立佐世保北高の茶屋伊織さんや、空手ナショナルチームの遠山将平さん、中村しおりさんなど、空手界で活躍する人材を多く輩出している。

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