【イラストでたどる萩往還】 No.8 「瀧口家屋敷」

文・イラスト=古谷眞之助

 萩藩には「宰判」と呼ばれる18の行政区分があり、明木も含めた萩市域は當島宰判と呼ばれていた。この屋敷の当主瀧口吉良は、當島宰判の民政部門トップの大庄屋を務め、維新後は村長、県議、衆議院議員を歴任して、明木のみならず山口県にも多大の功績を残した。また日本で二番目となる村立図書館を明木に設立した人物としても有名である。

 瀧口家からわずかの所に一里塚がある。そこは赤間関街道との分岐点となっていて、南西に進めば絵堂、秋吉経由で吉田に至り、そこからは山陽道に合流して赤間関へと行き着く。一方、南東にそのまま進めば萩往還第二の難所、約3キロのキツイ上りの続く「一升谷」が控えている。

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