カード、電子マネー、QR決済を賢く使い分け!ケース別おすすめ決済手段

キャッシュレス還元も始まって、何かとにぎやかなキャッシュレス決済。確かに、現金を使わずスムーズに買い物ができて便利ですよね。

でも、キャッシュレス決済の決済手段は、クレジットカード・デビットカード・電子マネー(プリペイドカード)・QR決済(スマホ決済)の4種類もあります。しかも、それぞれに対して各社さまざまなカードやアプリを発行していますから、「たくさんありすぎてどれを使ったらいいかわからない……」などということも、あるかもしれません。

今回は、そんなあなたも納得するキャッシュレス決済手段の使い分けを紹介。基本的な考え方からケーススタディまで、幅広く取り上げます。一緒に「キャッシュレス賢者」になりましょう。


キャッシュレス決済手段選び 鉄板3ステップ

まずは基本的な考え方から。いくらキャッシュレス決済が便利だからといって、何でもかんでも持とうとすると、財布も膨れてしまいますし、スマホもアプリだらけになってしまいます。利用するキャッシュレス決済手段を先に絞り込んでおくことをおすすめします。

肝心の選び方ですが、以下の鉄板3ステップを踏まえていただくのがいいと思います。ぜひ参考にしてください。

ステップ1:自分のよく使うお店やサービスで使えるものを選ぶ
いくら「これはいい!」と思ったカードやアプリでも、自分の身の回りのお店やサービスで使えないのでは意味がありません。とくにQR決済は、利用できる店舗もどんどん増えていますが、それでも使えるところ・使えないところがあるのが現状です。

まずはよく使うお店がどんなキャッシュレス決済手段に対応しているのかを確認してみましょう。

ステップ2:もっとも還元率が高いものを選ぶ
どれが使えるかわかったら、その中から、付与されるポイントや割引額が多い(還元率の高い)ものを探してみましょう。せっかくキャッシュレス決済をするのですから、少しでもお得なほうがいいですよね。たった0.5%、1%の違いでも、チリも積もれば山となります。

ステップ3:支払いのタイミングを選ぶ
ステップ2までで決済手段を絞り込んだら、あとはお金を支払うタイミング(精算方法)を選びます。キャッシュレス決済の支払いのタイミングには、大きく分けて前払い・即時払い・後払いの3つがあります。QR決済の場合、複数のタイミングから選ぶことができるものもあります。

とはいえ、これらはどれがもっともいい、というものではありません。たとえば、前払いや即時払いは、決済するときに実際にお金がなければ使えません。しかし、後払いならばそのときお金がなくても使えます。ですから、使い勝手の面では後払いのほうが上だといえます。

ただ、使いすぎを防ぐという観点で見れば、お金がなくなれば使えなくなる前払いや即時払いのほうが安心だと考えることもできます。自分の使い方や好みに合わせて選びましょう。

利用する決済手段を決めたら、できるだけどんな支払いでもその決済手段を利用します。ポイントが集中して貯まり、活用しやすくなるでしょう。

ケース別おすすめキャッシュレス決済を大公開!

上の鉄板3ステップで考えても、どうしても決められない……という方もいるかもしれません。そこで、ケース別のおすすめキャッシュレス決済をまとめてみました。いくつか、具体的に紹介します。

キャンペーンを活用したいなら「QR決済」

2018年から19年にかけて、QR決済のアプリが次々に登場しました。これらのアプリの運営会社は、お客さんに使ってもらうために、さまざまなキャンペーンを打ち出してきました。最近はやや落ち着いてきましたが、それでもびっくりするようなキャンペーンが出てくる場合があります。

たとえば PayPayの「まちかどペイペイ第1弾」では、国の「キャッシュレス・消費者還元事業」の5%還元店舗で利用すると、+5%の還元が行われ、合計10%還元が実現できます(2019年11月30日まで)。

逆に、楽天ペイの「【第1弾】楽天ペイアプリのお支払いで最大5%還元」では、国の「キャッシュレス・消費者還元事業」の2%還元店舗で利用すると+3%、対象外店舗で利用すると+5%のポイント還元が受けられます(2019年12月2日9:59まで・要事前エントリー)。

つまり、店によって両アプリを使い分けることによって、5%・10%の還元を受けることができるというわけです。

どちらも「第1弾」とありますから、12月以降には第2弾もスタートするのでしょう。キャンペーン情報をきちんと手に入れる必要はありますが、短期間で大きく還元を受けられるでしょう。

高額な買い物をする人は「クレジットカード」

4種類ある決済手段ですが、高額な買い物はまだまだクレジットカードに一日の長があります。というのも、電子マネーやQR決済のなかには、利用上限額が数万円までに定められているものが多くあるからです。

クレジットカードの場合、利用条件額は少なくても10万円はあるはずです。そのうえ、分割払いなどのしくみにも対応しています。最低でも1枚は持っておくようにしたいところです。

電車によく乗る人は「モバイルSuica(電子マネー)」

駅の改札で「ピッ」とするだけで電車に乗れる「交通系電子マネー」は、全国で10種類ほどあります。基本的には、自分の使うエリアの電子マネーを利用するべきなのですが、モバイルSuicaは例外です。

モバイルSuicaはSuicaを発行するJR東日本の電子マネー。その名のとおり、スマホで利用することができます。いつでもどこでもネット経由でチャージすることができますし、定期券や新幹線のチケットなども買うことができます。もちろん、コンビニなどで買い物にも使えますし、キャッシュレス還元も受けられます。

さらに、同社のビューカードを利用してチャージをすると、他のクレジットカードの3倍、1000円ごとに15ポイントのJREポイントを貯めることができます。そのうえ、2019年10月からはJR東日本の在来線を利用するたびに、利用額の2%のポイント還元が受けられるように。特にJR東日本のエリアに住んでいるならば有利でしょう。

なお、モバイルSuicaでポイントを貯めるには、事前にJREポイントへの登録が必要ですので、忘れずに手続きしましょう。

よく行くスーパーがある人は「スーパーと提携した決済手段」

生活圏内によく行くスーパーがあるならば、そのスーパーと提携した決済手段を利用するのがおすすめです。

たとえばイオンの場合、クレジットカードの「イオンカードセレクト」で電子マネーの「WAON」にチャージして、WAONで支払いを行うと、チャージ時に0.5%、支払い時に0.5%、合わせて1%のポイント還元を受けられます。

そのうえ、会員限定の特典も盛りだくさん。毎月5のつく日の「お客さまわくわくデー」ならポイント2倍(200円で2ポイント)、毎月10日の「ありが10デー」ならポイント5倍(200円で5ポイント)、毎月20日・30日の「お客さま感謝デー」なら商品代金が5%オフ…という具合です。映画も割引で見られます。

同様のサービスは他のスーパーやコンビニなどでも行われていることがありますので、ぜひチェックしてみてください。

ポイントをより効率よく貯めたい人は「KyashやQR決済アプリ」

2つの決済手段を組み合わせて使って、一気に2種類のポイントを手に入れることを二重取りといいます。

たとえば、プリペイド式のVisaカード「Kyash」は、決済金額の1%が即座にKyashポイントとして還元されます。これを利用して、クレジットカードでKyashにチャージして、Kyashで買い物をすれば、クレジットカードのポイントとKyashのポイントの二重取りができる、というわけです。

同様の方法はQR決済アプリでも可能。クレジットカードからチャージして、決済に利用することで、クレジットカードのポイントとQR決済アプリのポイントの二重取りができます。


決済手段の使い分けということで、さまざまなケースをお話ししてきました。中には、少しややこしいものもあったかもしれません。

しかし、キャッシュレス決済がこれまであまり浸透してこなかった日本で、少しでも「これから使いこなせるようになろう」と考えるのはすばらしいことですし、何よりお得です。ぜひ活用してみてください。

© 株式会社マネーフォワード