高跳び器具、ネット参考に教員が自作 真鶴の男児失明事故

男児失明問題の記者会見で謝罪する浜口校長(左)と牧岡教育長=真鶴町民センター

 真鶴町立まなづる小学校の体育授業で走り高跳びの練習中に男子児童が失明した問題で、高跳び器具は教員がインターネットを参考に自作していたことが26日、分かった。町教育委員会が記者会見で明らかにした。会見で牧岡努教育長は学校側の責任とした上で、「取り返しのつかない結果となり、心より深くおわびしたい」と謝罪。事故原因は特定できていないとし、外部調査機関の設置を検討する意向を示した。

 町教委などによると、事故は7日午後3時ごろ、体育館で6年生約40人が6グループに分かれて走り高跳びの練習をしている際に発生。高跳び器具は教員による自作で、園芸用品を代用した支柱(長さ150センチ)2本を児童2人が支え、長さ90センチのゴムひもを張ってバーに見立てていた。左目を失明するけがを負った男児は、片側の支柱を支えていたという。

 ゴムひもの代用について、浜口勝己校長は「恐怖心を軽減する工夫で、より多くの子どもに飛んでもらうための担任の意図」と説明。同内容の説明は文部科学省の手引でも紹介されているが、園芸用品との組み合わせは「インターネットのサイトを見て参考にした」とした。具体的なサイト名は言及を避けた。

 一方、児童が支柱を支えていたことについては、「事故が起こり得るかどうかの確認が足りなかった。(自作器具の使用は)妥当ではなかった」と指摘。児童の目に支柱がぶつかった状況に関しては、練習中の児童のほか指導していた担任ら教員2人も目撃していなかったとし、「事実の特定に至っていない」と述べた。第三者による調査委員会の設置は「外部の専門家や有識者の意見、保護者の意向も聞き、今後の状況を踏まえて判断する」とした。

 このほか、再発防止策として、各学年の体育授業を教育委員会がチェックして必要な指導を行うと強調。自作教材はすべての教科で授業前に複数の教員で安全性を点検する考えも示した。

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