倒壊護岸、3メートルかさ上げ 横浜・福浦地区

台風15号で倒壊した護岸の復旧方法が話し合われた検討会の第2回会合=横浜市港湾局

 横浜市は26日、台風15号による高波の影響で倒壊した横浜市金沢区の福浦地区の護岸について、延長約1100メートルの岸壁に沿って、排水機能を持つ直立消波ブロックを新たに設置し、約3メートルかさ上げする方針を決めた。年内にも復旧計画を策定し、来年の台風シーズンまでに完成を目指す。

 市が同日開いた「横浜港護岸復旧工法検討会」の第2回会合で示した。直立消波ブロックは、堤体自体に消波機能と排水機能を併せ持つコンクリート製の構造物。15号では工業団地が広範囲で甚大な浸水被害に見舞われたことから、直立消波ブロックの新設に加え、背後にも排水施設を整備。さらに防潮堤機能を持つ胸壁を内陸側に設置する三段構えで浸水防止を図る。

 消波ブロックを敷設して護岸を覆う一般的な工法に比べて費用が抑えられるメリットがある。前面海域では区域漁業権が設定されているため、ノリの養殖への影響が比較的少ないことも考慮された。

 市は、現行は標高4.5メートル前後の護岸を標高7.5メートル前後にかさ上げする。国土交通省関東地方整備局が25日、護岸を設計する際に用いる「設計波」を東京湾内で発生しうる最大クラスの高波を想定した内容に見直す方針を示していた。

 市港湾局の中野裕也局長は「来年の台風で考えられる最大級の高波、高潮を防護することが横浜市に与えられている必須の使命。早期に(復旧に)取り掛かる」とあいさつした。

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