「オールMLBチーム」 難しい選択を強いられる5つのポジション

史上初の試みとして「オールMLBチーム」が選出され、日本時間12月4日までファン投票が行われている。シーズン全体のパフォーマンスを対象として総勢90名のノミネート選手が選出され、このなかからリーグを問わず「ファースト・チーム」と「セカンド・チーム」が決定されることになるが、誰に投票すべきか判断が難しいポジションもある。MLB公式サイトのアンソニー・カストロビンスは、難しい選択を強いられるポジションとして捕手、三塁、一塁、遊撃、二塁の5つを挙げている。

捕手は、ヤスマニ・グランダル(今季ブリュワーズ)とJ.T.リアルミュート(フィリーズ)の一騎打ちになると見られる。ナ・リーグのシルバースラッガー賞とゴールドグラブ賞はどちらもリアルミュートが受賞したが、OPSではグランダルがリアルミュートを上回っており、Statcastが算出しているフレーミングの得点もグランダルのほうが上。守備防御点(DRS)やWARではリアルミュートが優勢だが、票は割れるかもしれない。

三塁には、アレックス・ブレグマン(アストロズ)とアンソニー・レンドン(今季ナショナルズ)という両リーグのMVPファイナリストがいる。ブレグマンはマイク・トラウト(エンゼルス)に次ぐ両リーグ2位のWARを記録しているが、レンドンは打率、長打数、長打率などで三塁手トップの数字を残している。このポジションには、41本塁打かつ7年連続ゴールドグラブ賞のノーラン・アレナード(ロッキーズ)もおり、大激戦が予想される。

このほか、一塁は新人ながら両リーグ最多の53本塁打を放ったピート・アロンゾ(メッツ)とブレーブスの主砲フレディ・フリーマン、遊撃はアメリカン・リーグのMVP投票で3位にランクインしたマーカス・セミエン(アスレチックス)と打撃の各部門で好成績を残したザンダー・ボガーツ(レッドソックス)の争いとなる。また、二塁は後半戦の追い上げで二塁手トップのOPSをマークしたホゼ・アルトゥーベ(アストロズ)、攻守にわたる大活躍でヤンキース地区優勝の原動力となったDJ・レメイヒュー、二塁手最多の35本塁打を放ったマックス・マンシー(ドジャース)から1人を選ばなければならない。

個人が残したスタッツを重視するのか。そのなかでどのスタッツを最重要視するのか。あるいはチームの順位も考慮に入れるのか。それによってファンが入れる票の行方は、大きく変動することになるだろう。

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