「野党共闘」アピール 「市民連合」初の街頭宣伝

 今夏の参院選で安全保障関連法の廃止を掲げる候補者を支援しようと発足した「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(市民連合)が5日、初の街頭宣伝を東京・新宿駅前で行った。野党各党の幹部も参加するなか「野党は共闘を」「市民の力で政治を動かそう」とアピールした。

 市民連合の呼び掛け人の一人、上智大教授の中野晃一さんは「新年になっても野党共闘の枠組みができていない。野党は何をやっているんだ」と批判。参院選に向けて「小異を捨て大同につくべきだ。このままでは自公政権がまた勝ち、また独裁的な政権ができてしまう」と危機感をあらわにした。

 街宣車には共産党の志位和夫委員長や社民党の吉田忠智党首らも登り、民主党の蓮舫代表代行がマイクを握ると、野党第1党の背中を押すように「民主は共闘!」「野党は共闘!」とのシュプレヒコールが聴衆から上がる一幕も。

 この日は主催者発表で5千人が参加。横浜市南区から足を運んだ自営業の林恭子さん(49)はスピーチした維新の党の初鹿明博衆院議員の「一本化をできる限り行って」という一言に引っ掛かったといい、「この場に来ても『できるだけ』としか言えないのか。市民の側はみな覚悟を決めて行動している。野党はしっかり受け止めてほしい」ともどかしそうに話していた。

 市民連合は昨年12月、安保関連法に反対する学生団体「SEALDs」(シールズ)や学者の会、ママの会など複数の市民団体の有志で結成。野党に対して参院選1人区で候補者の絞り込みを求め、安保法廃止などを公約とする協定を候補と結び、支援するとしている。

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