FA移籍の楽天・鈴木が背番号「7」に秘めた思い 「凄く光栄、嬉しい気持ち」

入団会見に臨んだ楽天・鈴木大地【写真:高橋昌江】

4年総額7億円で正式契約を交わす

 ロッテから国内FA権を行使して楽天に移籍した鈴木大地内野手が27日、楽天生命パーク宮城の「イーグルスドーム」で入団会見を行った。この日、4年総額7億円で正式契約を交わし、背番号はロッテ時代と同じ「7」に決まった。

 歓迎ムードに胸をなでおろし、改めて覚悟も固めた。会場には抽選に当選したファン50人が招待され、「7 大地」のボードを掲げて迎え入れた。ファンが会場に入ることを前日に知ったという鈴木は「石井(一久)GMに『お世話になります』と連絡を入れてから数日経ちました。正直、不安な気持ちもたくさんありましたが、こうやってファンの方々の前で正式にご挨拶することができ、この瞬間から『よし、やってやるぞ』という気持ちになりました」と決意表明した。

 鈴木は2011年のドラフト3位でロッテに入団。今季まで8シーズンで通算1061試合出場、打率.274、54本塁打、384打点の成績を残している。内野の全ポジションに加え、外野も守れる球界屈指のユーティリティープレーヤー。2014年から17年までキャプテンも務めた。楽天はその実績もさることながら、練習中や試合中の姿勢を評価した。石井GMは「基本的にはサードでやってほしい」と言い、その理由をこう話した。

「野球は間が多いスポーツ。何かあった時にピッチャーのところに行くとか、内野で1回集まろうよという時、内野の中に司令塔みたいな選手がいた方がいい。(鈴木は)浅村(栄斗)とはまた違うチームの引っ張り方をする。浅村は背中で引っ張っていく選手ですが、鈴木選手は前面に出て『さあ、頑張っていこうぜ』とチームを鼓舞することができる選手。そういう選手が内野にはいてほしいなと思っています」

 鈴木は「そういうところを評価していただいたのが、すごく嬉しい」と言った。ポジションについては「『与えられたポジションで全力を尽くす』ということにスタンスに変わりはない。内野で勝負したい気持ちはありますが、どのポジションでも『行けるか?』と言われたら、100%『はい』と言えるように準備をしていきたいと思っています」と、場合によってはどこでも守る覚悟だ。

ルーキー辰己から背番号7を引き取り「感謝の気持ちを言わせていただいた」

 この秋、8年間、プレーした千葉は台風の被害が相次いだ。来季からプレーする楽天は東日本大震災で傷ついた東北地方の球団。「『東北の皆さまに感動や勇気を与えられるようなチームになるため、力を貸してくれないか』と言っていただいた。そういう言葉が僕の中ですごく嬉しかったので、このチームで前に進んでいきたいと思い、決断させていただきました」と思いを明かした。

 背番号はロッテ入団3年目から慣れ親しんできた「7」に決定。楽天では山崎武司(野球解説者)と松井稼頭央(西武2軍監督)が背負い、今季はルーキーの辰己涼介外野手がつけた。鈴木は「背番号まで自分で考える余裕はなかった」としながらも、楽天への移籍を決断してから空き番号を調べたという。

 慣れ親しんだ「7」を球団から提示され、「球団からの誠意、辰己選手の誠意をすごく感じました。昨日、辰己選手とも会うことができ、感謝の気持ちを言わせていただいた。7番をつけられることはすごく光栄ですし、嬉しい気持ちでいっぱいです。すべて皆さまに『7番をつけさせてよかった』と言ってもらえるようなプレーヤー、人間になれるようにしっかり頑張っていきたいと思います」と気を引き締めた。辰己は「8」に変更される。

 移籍1年目となる2020年シーズンに向け、「移籍するにあたり『挑戦』という言葉を使わせていただいています。いろんな壁を超え、皆さまに『鈴木を呼んでよかった』と言ってもらえるようなパフォーマンスを出したいと思っています」と誓った。例年通り、1月の自主トレは高知県や沖縄・宮古島で行い、クリムゾンレッドのユニホームで暴れる準備を整えていく。(高橋昌江 / Masae Takahashi)

© 株式会社Creative2