しゃくなげ林道1.2キロ開通 観光名所への新ルートにも 諫早・高来 「山の男たちの念願」

開通を祝い、テープカットする関係者=諫早市高来町

 長崎県諫早市高来町の轟峡上流部と広域林道多良岳横断線を結ぶ「しゃくなげ林道」が供用開始された。森林整備や作業効率化に役立つとともに、広域林道沿いにある「しゃくなげ高原」などの観光名所への新ルートとしても期待される。

 住民によると、約30年前、広域林道と轟峡そばの県道多良岳公園線を結ぶ計画があったが、希少な植物が自生する山林が含まれ、断念した経緯がある。市は2016年度から、別のルートで林道整備に着手した。延長1200メートル、幅員4メートル。起点と終点の標高差は約140メートル。総事業費は約1億7千万円。

 開通式が24日、現地であり、湯江浮立(ふりゅう)保存会が浮立を披露した後、宮本明雄市長は「自然を大切にし、広域林道への新ルートとして活用してほしい」とあいさつ。同町山林協議会の増山忠男会長は「山の男たちにとって念願の林道。今後、高来町産の木の価値が高まる」と話した。

 市は轟峡周辺の安全通行のため、県道多良岳公園線と林道丸尾線の右回り通行を呼び掛ける表示を行った。

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