<南風>思いっきり挑戦だ

 夢は、何気ない毎日をより充実させる一つの道具だと言えます。皆さん今年1年の夢・目標などの計画を立てている時期でしょうか。

 私は昨年、フランスで開催された第21回世界マスターズ陸上4×100メートルリレーにおいて、石黒文康選手(愛知県)、渡辺潤一選手(埼玉県)、そしてタレントの武井壮選手(東京)という素晴らしい日本代表の仲間と共に、念願の世界一となり、金メダルを獲得することができました。これも応援してくれた、たくさんのみなさんのおかげだと思います。

 今年は、オーストラリアで開催される世界マスターズ陸上において100メートルで世界一、金メダルというのが夢・目標の一つでもあります。もちろん世界一を目指すことは、言葉で言うほど簡単なことではありません。心・技・体すべての部分で今よりレベルアップさせていく必要があります。

 この種目で40代クラスとは言え、日本人が世界一というのは世間一般の常識では考えられないことだと思います。だからこそ、「その常識を壊す!」というのがまた面白いのです。そのためには「まだまだ弱いぞ俺!」という前提で向上心を持って、自分の可能性に制限をかけず取り組んでいこうと思っています。

 どんな時でも夢は達成できる、ということはないかもしれません。しかしやはり、夢を掲げることによって日々の何気ない毎日を充実させ、やるべき行動や優先順位が明確にもなり、自己成長にもつながります。時には悩みやスランプもあるでしょう。ただそのプロセスはけして無駄にはなりません。誰でも、いつでも、どんな年齢からも、挑戦することはできます。

 「挑戦は無料(ただ)」です。1度きりしかない自分の人生。思いっきり、夢への挑戦を楽しもうではありませんか。

 今年も青春ど真ん中だ!。

(譜久里武、アスリート工房代表)

© 株式会社琉球新報社