「ぼく、名前、アーメット。戦争で......逃げた」シリア難民を子どもの目線からとらえた長編作品刊行!

11月22日に、 ティーンズ文学館『5000キロ逃げてきたアーメット』が発売となった。これは「シリア難民」という大きな国際問題を、 純粋でひたむきな子どもの目線からとらえた長編作品。イギリスで“The Boy at the Back of the Class”というタイトルで2018年に発刊されるやいなや、 子どもだけでなく、 おとなにも大きなインパクトを与え、 各方面で高い評価を得た。

ティーンズ文学館『5000キロ逃げてきたアーメット』

【あらすじ】

ある日、 主人公アレクサのクラスに、 ひとりの男の子が転入してきました。

その子は、 だれとも話さず、 笑わず、 遊びません。

休み時間になると、 ふいと姿を消してしまいます。

アレクサは、 どこかさびしげな転校生が気になります。

親友3人といっしょに、 彼と友だちになろうといろんな作戦を試しますが、 なかなかうまくいきません。

次第に、 転校生の様子をふしぎに見ていた生徒たちの間で、

「英語が話せないのかな?」「前の学校で暴力問題を起こしたんだよ」「病気があるから隔離されるんだ」とうわさがとびかい、 ついにはいじめまで起こります。

実は、 彼がそんなふるまいをするのには、 大きな理由がありました。

彼は、 中東シリアから、 はるばるイギリスのロンドンまで逃げてきた難民だったのです。

そのことを知ったアレクサは、 彼のために色々と行動に移します。

そしてそのアクションは、 ついには大きな国際問題にまで発展することに……

(訳者 あとがきより)
――「難民」という言葉の意味もはじめはわからずにとまどっていたアレクサは、 日がたつにつれしだいに問題を理解し、 アーメットにしっかりと心をよりそわせるようになります。
その変化は、 難民問題になじみのない読者がこの本を手に取り、 最後のページまで読みすすめていく姿と重なるのではないでしょうか。 ――

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