九十九島とらふぐ出荷 ブランド確立へ地元で販売 佐世保

出荷するためトラックに積み込まれる「九十九島とらふぐ」=佐世保市鹿町町

 養殖トラフグの生産が盛んな佐世保市の九十九島漁協は29日、旬を迎えた「九十九島とらふぐ」の出荷式を鹿町町の漁協鹿町支所で開いた。例年並みの12万匹の出荷を見込んでいる。ブランドの確立を図るため、年末年始にかけ市内のスーパーで唐揚げや鍋セットを販売する。
 九十九島とらふぐは、地元産の早摘みミカンを混ぜた餌を与えている。病気に強く、肉質がいいのが特長。鹿町町内の7業者が生産している。
 式には生産者や行政関係者、近くの歌ケ浦青い実幼児園の園児ら約60人が出席。テープカットをした後、園児が空に風船を飛ばした。この日は1.2キロのトラフグ50匹をトラックに積み込んで出荷した。
 唐揚げや鍋セットは、エレナ五番街店、マックスバリュ早岐店、池野店の3店舗で12月16日から販売する予定。九十九島漁協の萩原利男専務理事は「家庭でも気軽に食べられるようにしたい。地元で多くの人にファンになってもらいたい」と語った。
 養殖トラフグの生産量が日本一の本県では、ほかの産地でも消費拡大に向けたイベントがあった。長崎市の県庁レストラン「シェ・デジマ」では、県内産養殖トラフグを使った「とらふぐフライ」のランチを1日限定で販売。1時間余りで120食が完売した。長崎市内では来年2月末まで、28店舗で「戸石とらふぐ」を使った料理を提供。松浦市でも飲食店で特別メニュー提供などのキャンペーンを展開する。

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