依存者の孤立解消が鍵 ダルク女性ハウス 上岡代表が講演 長崎

依存症の女性たちの生きづらさについて語る上岡代表=長崎市千歳町、チトセピアホール

 女性の薬物依存症者の社会復帰を支援する特定非営利活動法人「ダルク女性ハウス」(東京)の上岡陽江代表が29日、長崎市内で「依存症と生きて-私たちはなぜ寂しいか」と題して講演した。
 上岡代表は薬物依存やアルコール依存、摂食障害に苦しんだ経験から1991年に同ハウスを設立。現在、看護師など多職種との連携を通じ、薬物依存症の女性とその子どもたちの支援などに取り組んでいる。
 上岡代表は、薬物依存症の女性の約85%はドメスティックバイオレンス(DV)や性暴力など「虐待」を受けた経験があると説明し「支援者が応援団となって、依存症の女性たちの孤立を解消することが大切」と強調した。
 薬物犯罪などによる刑務所出所者を支援する機会も多い。「刑務所に入所中、生理が止まり精神的に不安定になったまま出所してくる女性も少なくない。体をケアした上で治療、更生を考えることが必要だ」などと話した。
 講演会は社会福祉法人南高愛隣会(諫早市)主催。約100人が参加した。

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