巨人は大型補強も成果薄 DeNAと中日は外国人活躍…12球団助っ人診断セ編

DeNAのホセ・ロペス(左)とネフタリ・ソト【写真:荒川祐史】

阪神はジョンソンが大活躍も、積年の課題である打者は“大当たり”とはいかず…

 2019年のプロ野球はソフトバンクが3年連続で日本一に輝き、幕を閉じた。セ・リーグは巨人が5年ぶりに制し、パ・リーグは西武が2年連続で制覇。だが、CSで西武を2年続けて破ったソフトバンクが日本シリーズでも巨人に4連勝し、ポストシーズン10連勝で頂点に立った。

 今季も143試合に渡る長く厳しい戦いを繰り広げてきた選手たち。それでは、シーズン開幕前に大きな期待を寄せられた外国人選手たちは“助っ人”と呼ぶに相応しい活躍を出来たのだろうか。ここでは、外国人診断として各球団の助っ人たちのの働きぶりを振り返り、外国人補強のAからEで“格付け”して成功度を測ってみよう。

 まずはセ・リーグだ。

○巨人
【投手】C
マシソン 28試合2勝2敗1S8H 防4.37
クック 13試合0勝2敗6S0H 防4.80
メルセデス 22試合8勝8敗0S0H 9QS 防3.52
ヤングマン 10試合3勝4敗0S0H 2QS 防6.09
アダメス 11試合0勝1敗0S3H 防6.75
デラロサ 26試合1勝0敗8S5H 防2.25
【野手】D
ビヤヌエバ 73試合202打数45安8本24点 率.223
ゲレーロ 101試合287打数68安21本54点 率.237
マルティネス 6試合8打数1安0本1点 率.125

 5年ぶりにリーグ制覇を成し遂げた巨人だが、助っ人に関して言えば、期待ほどの働きではなかったと言えるだろう。最も活躍したのはメルセデス。先発で22試合に登板して8勝(8敗)とまずまずの成績だった。シーズン途中に獲得したデラロサは終盤には抑えを任されて8セーブをマークした。

 その一方で、バリバリのメジャーリーガーとして期待されたクックとビヤヌエバは完全に期待外れ。守護神と目されたクックはわずか13試合の登板に終わり、ビヤヌエバも73試合で打率.223、8本塁打止まりと低迷した。

○DeNA
【投手】B
バリオス 3試合1勝2敗0S0H 0QS 防4.30
パットン 42試合0勝3敗0S22H 防5.15
エスコバー 74試合5勝4敗0S33H 防2.51
ソリス 4試合0勝0敗0S1H 防2.08
【打者】A
ロペス 142試合551打数133安31本84点 率.241
ソト 141試合516打数139安打43本108点 率.269

 2位に入ったDeNAは助っ人、特に打者の貢献度が高かった。2015年からDeNAでプレーするロペスは打率こそ.241と在籍5年間で最低となったが、31本塁打84打点と打線の中心として活躍。ソトは2年連続40本塁打をマークし、2年連続の本塁打王と打点王の2冠に輝いた。

 投手でもエスコバーがセットアッパーとして74試合に登板し、33ホールド、防御率2.51をマークした。パットンはシーズン途中で骨折による離脱があったものの、42試合に登板して22ホールドをマーク。バリオス、ソリスは活躍できなかったものの、総じて助っ人の貢献度は高かったと言えるだろう。

阪神はジョンソンが大活躍も、積年の課題である打者は“大当たり”とはいかず…

○阪神
【投手】B
ジョンソン 58試合2勝3敗0S40H 防1.38
メッセンジャー 14試合3勝7敗0S0H 6QS 防4.67
ガルシア 21試合6勝8敗0S3H 4QS 防4.69
ドリス 56試合5勝4敗19S10H 防2.11
【野手】D
マルテ 105試合349打数99安12本49点 率.284
ソラーテ 20試合69打数13安4本9点 率.188
ナバーロ 15試合43打数9安0本2点 率.209

 終盤の連勝で3位に食い込み、逆転でクライマックスシリーズ進出を決めた阪神。特に活躍が目立ったのは、セットアッパーのジョンソン。58試合に登板して40ホールド、防御率は驚異の1.38をマークした。今季は日本人扱いだったメッセンジャーは3勝に終わり、今季で現役を引退。中日から移籍したガルシアも6勝に終わった。

 積年の課題となっている助っ人野手はマルテが打率.284、12本塁打をマークして、まずまずの成績を残した。だが、昨季からプレーするナバーロは2軍暮らしが続き、わずか15試合の出場。途中加入のソラーテも20試合出場に終わった。「モチベーションが上がらない」という不可解な理由で昇格見送りとなり、退団が決まった。

○広島
【投手】B
ジョンソン 27試合11勝8敗0S0H 16QS 防2.59
レグナルト 52試合6勝3敗0S15H 防3.34
ヘルウェグ 5試合1勝0敗0S1H 防0.00
ローレンス 1試合0勝1敗0S0H 防10.80
フランスア 67試合8勝6敗12S18H 防2.76
モンティージャ 2試合0勝2敗0S0H 0QS 防14.54
【打者】C
バティスタ 103試合372打数100安26本64点 率.269
メヒア 56試合162打数42安7本17点 率.259
サンタナ 13試合33打数6安0本5点 率.182

 3年連続のリーグ優勝からBクラスの4位に転落した広島。今季は6人の投手、3人の野手が1軍でプレーした。ジョンソンが27試合に先発して11勝、レグナルトが52試合登板、フランスアが67試合に登板と高い貢献度を見せた。

 野手でもバティスタが103試合で打率.269、26本塁打と活躍。だが、禁止薬物の使用により6か月の出場停止処分を課された。大事な終盤戦に不在となったことが痛かった。代役となるべきメヒアも56試合で7本塁打、打率.259とまずまずの成績を残したが、バティスタの穴を埋めるまではいかなかった。

中日は投打共に助っ人が活躍、ヤクルトはマクガフ&ハフが奮闘

○中日
【投手】B
ロドリゲス 64試合3勝4敗1S41H 防1.64
ロメロ 21試合8勝10敗0S0H 12QS 防4.26
R・マルティネス 43試合1勝4敗8S14H 防2.66
【野手】B
アルモンテ 49試合164打数54安7本25点 率.329
ビシエド 143試合534打数168安18本93点 率.315
モヤ(オリックスへ移籍)7試合22打数5安1本3点 率.227

 終盤までAクラスを争いながら、7年連続でBクラスに沈んだ中日。助っ人陣の活躍ぶりはリーグ随一と言えるものだった。リリーフのロドリゲスは64試合に登板して41ホールド、防御率1.64と驚異的な活躍。R・マルティネスもキューバ代表の活動で離脱がありながら、43試合に登板して8セーブ14ホールドを記録した。ロメロも先発の柱として8勝をあげた。

 野手でもビシエドが全試合に出場して打率.315、18本塁打93打点の成績をマーク。アルモンテは外国人枠の影響もあって2軍暮らしが長くなったが、49試合の出場で打率.329と高い打率を残した。

○ヤクルト
【投手】C
ブキャナン 18試合4勝6敗0S0H 9QS 防4.79
マクガフ 65試合2勝1敗11S18H 防3.15
ハフ 68試合1勝5敗3S26H 防3.97
スアレス 4試合1勝1敗0S0H 2QS 防1.53
【野手】B
バレンティン 120試合410打数115安33本93点 率.280

 昨季の2位から最下位に転落したヤクルトだが、外国人の貢献度はまずまずだった。リリーフのマクガフ、ハフは共に60試合超に登板した。防御率3点台と決して良くはないものの、苦しい台所事情の中で奮闘した。先発のブキャナンは4勝止まり。こちらはやや期待に沿えなかったか。

 バレンティンは今季も33本塁打を放ち、4年連続30本塁打を達成。打率もここ6年で最も高い.280を記録しており、打線の中心として活躍した。来季からは日本人扱いとなるが、その去就が不透明となっており注目されている。(Full-Count編集部)

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