吉澤嘉代子、地元でベストテンライブ!「川口の最終兵器になれてるかな!?」

川口は吉澤の地元ということで、開演前の諸注意は吉澤の両親と祖父母がアナウンスするというおもてなしまで用意されていたこの日。開演時間を迎えるとスクリーンには「吉澤嘉代子のザ・ベストテン」という煌びやかなロゴが映し出され、音楽も照明も、まさに昭和を代表するあの歌番組のオープニングそのものの幕開けとなった。ステージには、バンマスのゴンドウトモヒコ(Horn,Sequence)、伊澤一葉(Keyboard)、弓木英梨乃(Guitar)、ハマ・オカモト(Bass / OKAMOTO’S)、張替智弘(Drums / キンモクセイ、HALIFANIE)がスタンバイしているが、吉澤の姿が見えない。進行役である犬のウィンディが中継先に呼びかけると、川口駅前で串カツを頬張る吉澤が映し出され、「ここでよくストリートライブをやってたから、歌っちゃおうかなと思って」と、1曲目「未成年の主張」を弾き語りで歌い出した。途中からは当時の歌番組の中継でよく見かけたスタジオへの駆け込み映像となり、最終的には衣装に着替えた吉澤が客席の扉から勢いよく登場するという見事な演出に会場は大興奮となった。

「今日は私が生まれ育った街、川口のリリアまで来てくださってありがとうございます。10年くらい前ストリートライブをやっていた時、自分で<川口の最終兵器>というキャッチコピーを付けていました(笑)。若い芽を摘んで、自分の代で終わらせようという強い意志を感じるキャッチコピーでしたが(笑)、そんな川口の最終兵器になれてるかな!?」

地元ならではのMCで笑わせつつ、「今日は5年間を振り返って、しみじみと噛み締めながら、ゆっくり曲をお届けしたいと思います」と吉澤。この日のライブは事前に寄せられたリクエスト曲をベースになっていて、前半は「綺麗」や「手品」、そして食べ物のタイトルがついた楽曲による「たべものメドレー」など客席を巻き込みながら楽しめるナンバーを披露し、中盤は「えらばれし子供たちの密話」や「地獄タクシー」といったストーリー性の高い楽曲をパフォーマンス。キラキラしたステージのセットや足元に立ち込めるスモークなど、視覚的にもワクワクするような演出が楽曲の世界観を引き立てていた。またこの日は、吉澤と親交の深いアーティストも中継という形でスクリーンに登場。岡崎体育は「よるの向日葵」、阿部真央は「残ってる」、サンボマスターは「ものがたりは今日はじまるの」、吉岡里帆は「ミューズ」をリクエストし、それに応える形で曲が演奏されていく。5年間のベストともいうべきラインナップで進んできた本編のラストは、記念すべき1stアルバム「箒星図鑑」の1曲目に収録されている「ストッキング」で締め括られた。

アンコールではスクリーンにバカリズムが登場し、テレビドラマ「架空OL日記」の主題歌「月曜日戦争」をリクエスト。来年公開の劇場版でも主題歌としての続投が決定ということで、吉澤も「楽しみ!ぜひ劇場でも聴いてもらいたいです!」とコメントしていた。最後に吉澤は「生まれ育った場所は怖くもあったけど、今はすごく大切な、帰ってくる場所になった」と地元への思いを語り、新荒川大橋を渡りながら感じたことから生まれたという「一角獣」を披露。2020年5月5日に日比谷野外音楽堂でコンサートを行うことを発表し、この日のライブは大団円を迎えた。

なお、オフィシャルファンクラブ「ほうきの会」限定で生配信されていた本公演は、12月6日からアーカイブ配信されることも決定している。

セットリスト

未成年の主張(川口駅前より中継)

らりるれりん

綺麗

手品

たべものメドレー(洋梨feat.弓木英梨乃~アボカド~ブルーベリーシガレット~麻婆~ガリ)

ユートピア

えらばれし子供の密話

地獄タクシー

よるの向日葵

残ってる

がらんどう

ものがたりは今日はじまるの

ミューズ

movie

泣き虫ジュゴン

ストッキング

―アンコールー

月曜日戦争

一角獣

yezy:山田邦子 photo by Tetsuya Yamakawa

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