「現場と経営陣の溝を埋める」 日産・内田新社長が会見

経営方針について話す日産自動車の内田誠社長=2日午後、同社本社

 12月1日付で社長兼最高経営責任者(CEO)に就任した日産自動車(横浜市西区)の内田誠氏(53)が2日、日産本社で記者会見し、「現場と経営陣の間に生まれた溝を埋めるのが私の使命だ。課せられたのはその覚悟」と話した。カルロス・ゴーン前会長の逮捕による混乱や業績低迷が続く日産の課題を解決し、立て直しに取り組む。

 ナンバー2の最高執行責任者(COO)には三菱自動車COOのアシュワニ・グプタ氏(49)が就き、副COOには専務執行役員の関潤氏(58)が就いた。

 内田社長は改革の必要性を強調し、「無理な目標が設定されてきた。できないことを『できる』と言う企業文化が浸透してしまった」と問題点を指摘。今後は「挑戦できる目標を掲げ、従業員が課題を経営陣に示し、それを互いに尊重する。その先に信頼がある。『尊重』と『信頼』によって日産はワンチームになる」と強調した。

 日産は今期予想を含めると4期連続の減益が避けられない見通しで、業績改善が求められている。内田社長は「お客さま第一。これを改めて確認し市場からの信頼を取り戻す」と話した。

 ゴーン前会長の逮捕後、企業統治(ガバナンス)が揺らぎ、企業連合を組むフランス大手ルノー、三菱自動車との連携(アライアンス)の再構築も大きな課題となっている。内田社長は「まずは短期的に、互いに貢献できることに注力したい」とし、経営統合については「それは一つの形でしかない」と述べた。

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