軍艦島 観光損失4.6億円 上陸禁止2カ月、長崎市試算

 定例長崎市議会は2日、一般質問を続行し、4人が登壇した。長崎市は、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」を構成する端島炭坑(軍艦島)について、9月下旬の台風17号被害で上陸禁止が続いていることに伴い、観光消費の損失額は現時点で推計約4億6千万円に上ることを明らかにした。

 軍艦島は昨年も台風被害で10月から約4カ月間、上陸できず、損失額は推計約7億6千万円だった。上陸観光クルーズを手掛ける5社の乗船者数は4カ月の上陸禁止で、約3万3千人減少(例年比35%減)。損失額は、1人当たり消費額を約2万3千円として試算した。

 台風17号では、見学施設の手すりや転落防止柵、船が接岸する際に衝撃を和らげる防舷材などが壊れた。長崎市は本年度中の完全復旧と上陸再開を目指している。

 永尾春文議員(公明)の質問に、股張一男文化観光部長は、復旧の迅速化に向け、柵や手すりは台風通過前に外し、通過後に再設置する工法を導入する考えを説明。「台風通過前後は一定期間、上陸できないが、長期の供用停止を防げる」と述べた。復旧の進展に関する情報発信も強化するとした。

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