【おもしろ小箱】 No.200「弥生時代の木製品」

▲「木製品 鋤」(宮ヶ久保遺跡出土、山口県埋蔵文化財センター所蔵)

 我が国で本格的に米作りが始まったのは、今から約2500年以上前の弥生時代のことです。山口県にも弥生時代の遺跡が多くあり、山口市阿東の宮ヶ久保遺跡からは当時の鋤(写真)や斧柄などの農工具や皿や杓子などの食器などが見つかりました。通常、古い時代の遺跡では有機物である木製品は微生物により分解されてしまいます。しかし河川の近くにあった宮ヶ久保遺跡では深く掘り込まれた溝の内部が常に水気を帯びた状態であったことが幸いして、弥生人の多くの木製品が保存されました。これらの多くは県指定文化財に指定されています。

 山口県立山口博物館では山口大学埋蔵文化財資料館と共催で、上記の貴重な木製品26点のほか、弥生時代の米作りに関する様々な資料を集めたテーマ展「弥生時代と米作り―食生活の革命!」を開催中です。会期は令和2年1月13日(月・祝)まで。この機会にぜひご覧ください。

山口県立山口博物館 学芸員 荒巻 直大

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