1歳6カ月の長女虐待、今も意識不明 母親に懲役5年6月

横浜地裁

 1歳6カ月の長女に自宅で暴行を加えて急性硬膜下血腫などの大けがをさせたとして、傷害の罪に問われた中国籍で、無職の女(26)=横浜市磯子区=の判決公判が3日、横浜地裁であった。景山太郎裁判長は「長女の頭部に強い外力を加えた悪質な児童虐待と言え、結果も重大」として、懲役5年6月(求刑懲役8年)を言い渡した。

 景山裁判長は判決理由で、長女の負傷に関する所見が複数の医師で符号した点を踏まえ、「日常生活の事故では生じ得ず、激しい暴力や揺さぶりによる外傷と認められる。頭部にそのような暴力を加えることができたのは被告だけ」と指摘した。被告の供述についても「長女がいすから転落した」「高い高いをしたときに落下した」などと変遷しているとし、「信用できない」と退けた。

 判決などによると、被告は2018年6月19日、同区の自宅マンションで、長女の頭部に暴行を加え、急性硬膜下血腫などのけがを負わせた。事件当時、自宅には被告と長女、当時4歳の長男が在宅していた。長女は今も意識が戻らず、回復の見込みは立っていない。

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