学校への電話「午後5時までに」教職員の働き方改革につながる?

京都府内の小中高校の電話応答終了時刻

 京都府内の公立学校で、電話応答に終了時刻を設定する取り組みが広がっている。働き方改革の一環で教職員の長時間労働を是正するのが主な狙いで、府教育委員会は今月から府立高や付属中、特別支援学校では原則午後5時までと設定。府内の小中学校でも同様の動きがある。ただ終了時刻は自治体でばらつきがある。

 府教委は府立学校での電話応対を終業時刻の午後5時で終了すると決めた。今月上旬、保護者に「学校へのお電話は終業時刻までにお願いします」との文書を出した。担当者は「教職員が早く帰れれば、精神的にも物理的にも余裕ができ、結局は子どもたちのためにもなる」とする。
 小中学校については自治体で対応が異なる。小学校で最も早いのは城陽市の午後5時で「児童の下校時間を考慮した」という。長岡京市は午後6時半、京都市と亀岡市、舞鶴市、与謝野町は午後7時で「児童が帰宅後に保護者と話をし、学校に連絡があり得る時刻」(亀岡市)などの理由でそれぞれ決めていた。
 中学校は城陽市が午後6時、亀岡市、長岡京市、舞鶴市、与謝野町が午後7時、京都市が午後7時半で、部活動が終わって退校する時間などを考慮して定めていた。
 終了時刻を延ばすとその時間まで教職員が学校に残る必要性も出てくるが、京都市の担当者は「終了時刻の設定はあくまで原則。それより早く退校してもよく、残業を許容している訳ではない」と説明する。
 教職員からは「電話が鳴らない分、仕事に集中できる」「早く帰る意識付けになった」などの声が上がっているという。
 府教委は今後、未設定の自治体にも導入を働きかけていく予定で「忙しいと早く帰れないので、業務量を減らす取り組みも進めたい」としている。

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