「eスポーツ部」設立支援を開始 横須賀市、企業と協力

無償貸し出しされるPCなど機器と、横須賀市の上地市長(右から3人目)や賛同企業関係者ら =横須賀市役所

 横須賀市は4日、コンピューターゲームの腕前を競う「eスポーツ」による地域活性化や新たな文化の発信を目指す新プロジェクトを始めた。第1弾として、市内の高校を対象に部活動としての「eスポーツ部」設立を支援するため、企業と協力して高性能のゲーム用パソコン(PC)を無償で貸し出しする。市によると、自治体が中心を担う官民協働のeスポーツ部設立支援は、全国で初めて。

 プロジェクトは、eスポーツを定着させ、子どもたちが希望を持って成長できる街の実現を目的としている。eスポーツ部の設立支援のほか、今後は、eスポーツの大会誘致や関連イベントの開催、官民連携の新事業の展開を検討していくとしている。

 部活動設立支援の賛同企業は、PC販売専門店のTSUKUMO、半導体大手のインテル、PCメーカーのMSI、通信事業者のNTT東日本の4社。市内の県立、市立、私立高校13校を対象に、ゲームを練習するためのPC本体とディスプレイ、ゲーム用の椅子など周辺機器を、1校当たり最大5台まで無償で3年間貸与する。市が窓口となり、練習試合やプロ選手による指導の調整、教員へのセミナー開催にも当たる。

 市観光課によると、市の呼び掛けに三浦学苑高校が手を挙げ、湘南学院高校でも部が設立される予定。県立、市立高校でも検討されている。県内高校でeスポーツ部があるのは、現在3校という。

 賛同企業や三浦学苑高校関係者が4日、同市役所で顔を合わせ、eスポーツで横須賀を盛り上げるため協力関係を確認した。上地克明市長は「新しい文化の花を咲かせたい」とあいさつ。同高2年でeスポーツ部員となる岡崎富夫さん(17)は「横須賀からeスポーツが発展ができるよう頑張っていきたい」と意気込んだ。

 ◆eスポーツ エレクトロニック・スポーツの略。パソコンや家庭用ゲーム機で行われる対戦型のゲーム競技を指す。サッカーや格闘技など種目は幅広い。欧米や韓国で広まり、賞金で生計を立てるプロも生まれている。2022年のアジア大会で正式競技となることが決まり、五輪への採用も検討されている。一方、ゲームをスポーツとして扱うことに異論もある。

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