ワイドショーに欠かせない犯罪ジャーナリストって本当にすごいの? 眉に唾をつけて「見分けるコツ」が必要です

「元警察官」だって、いろいろなんです(写真はイメージです)

沢尻エリカ容疑者が保釈されました。ワイドショーは一部を除いて、こぞって取り上げました。沢尻容疑者の事件だけではありません。事件が起きる度に、「元警視庁刑事」「元県警刑事」といた肩書の人たちが、コメントします。

この人たちがなぜテレビに登場するのでしょうか?

あんた専門家なの?

それは「肩書」によって、です。ですから肩書は非常に大事です。

しかし、「この人は地域課で交番勤務が長いのだろうか」「この人は交通警察でスピード取り締まりなどが長かったのだろうか」「この人は一課と呼ばれる殺人事件を専門としていたのだろうか」「公安警察でスパイや右翼・左翼の取り締まりを主としていたのだろうか」……。

ここをハッキリさせないと、視聴者はダマされてしまいます。自動車警ら隊が長かった人が「殺人事件の捜査のプロ」なのか。そこで曖昧に肩書をつけます。例えば「警視庁刑事」「警視庁警察官」(警視庁管内の所轄であれば広義で警察官ではある)になります。交番勤務だって立派な仕事です。それを打ち出せば良いではないですか。

ある現役警部補に聞いてみました。

「確かに我々の先輩なのですが、あの人は現役のときの評判は変人で有名でした」と某県警勤務の元警察官で犯罪コメンテーターの事を言います。

「交番にいたときは仕事をせず、後輩にまかせっきりでしたから。評判は悪いです。何であの人が捜査のプロみたいな扱いでテレビに出られるのか不思議です」

この犯罪コメンテーターだけではありません。

「そもそも元警察官で出演する人が少ないからです」(テレビ制作会社)

不謹慎な奴ら

バラエティに出演する元警察官コメンテーターは、台本通りか、あるいは「出たがり」なので受けを狙いがちたです。僕が収録した元警察官・現犯罪ジャーナリストは

「最近のヒットマンは香水をつけている」

などと言い出し、さすがに僕が「ヒットマンは目だってはダメですから香水なんかつけたらターゲットに近づけないでしょう」と言い、さらに現役暴力団から聞いた話として「人を撃つのは非常に恐怖だ。数メートルまでに近づくのも震える」という主旨の証言を提示し、釘を刺しておきました。

新潟女児殺人事件で、昼のワイドショーに出演した元警察官のコメンテーター・犯罪ジャーナリスト。中継がつながってMCが「つながっていますかー」と呼びかけた彼の第一声は、

「はーい。寒いでーす」

でした。

不謹慎すぎやしませんか。僕も現場に行きましたが花束がたくさん置かれていました。まず現場取材する際には手を合わせるのが、ジャーナリストである前に人としての儀ではないでしょうか。

が、最近は例えば「一課」とかはっきりとした肩書を打ち出す人も増えてきました。良い傾向です。視聴者の方々も「肩書をハッキリしない」コメンテーターは眉にツバをつけてご覧になってはいかがでしょうか。(文◎久田将義)

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