ベルリン名物「アンペルマン」が、粗大ゴミからご当地マスコットへ転身できた理由 今年2019年はベルリンの壁崩壊30周年の記念イヤー

アンペルマングッズ

数あるアンペルマングッズの中から今回おすすめするのは、反射材を用いたキーホルダー。アンペルマンがもともと歩行者用信号として考案されたこともあり、現在でも交通安全グッズが多数展開されている。車のライトに反射して光る素材は、夜道での強い味方に。

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BRAND INFO

AMPELMANN GmbH
創業年: 1999年
創業場所: ベルリン
創業者:マルコス・ヘックハウゼン
https://www.ampelmann.de(ドイツ)
http://www.ippin-mall.com(日本)

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ベルリンのシンボル的存在といえば、信号機「アンペルマン」。帽子を被った男性が、今にも颯爽と歩き出しそうな緑の「進め」、両手を横に広げてストップをかける赤の「止まれ」で、ベルリンの歩行者たちの安全を守っている。

その誕生は1961年。自動車の大衆化で交通事故が増えていた当時、旧東独の交通心理学者カール・ぺグラウが歩行者のために考案した。しかしベルリンの壁崩壊後、ほとんどの東ドイツ製品は消滅。アンペルマンも撤去され、西ドイツ地域と同じタイプの信号機に置き換えられていった。

そんな危機を救ったのが、デザイナーのマルコス・ヘックハウゼン。彼は、撤去されたアンペルマンを再利用して壁掛けライトを製作し、瞬く間に人気商品となった。その後、アンペルマンの生みの親であるぺグラウと知り合い、共にアンペルマンの復活運動を始める。1997年に運動は成功し、今では市内の信号機の9割がアンペルマンだ。

1999年に発表された「アンペルマン・コレクション」では、アンペルマンをモチーフとしたキーホルダーや文房具、アパレルなどのユニークなグッズを次々と展開。今やベルリンの代表的なお土産のひとつだ。アンペルマンが信号機としてもグッズとしても人々に愛されているゆえんは、まさに人の心に訴えかけるデザインの力。ベルリンの壁崩壊30周年を迎える今年、ぜひアンペルマングッズをご当地もの好きな友人に贈ってみては。

© ドイツニュースダイジェスト