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「週刊誌編集部は、パワハラの温床だった過去を棚に上げて、有名人や有名企業のパワハラ、モラハラをバッシングする資格はあるのでしょうか」(元週刊誌記者)
関西大学アイススケート部前監督の織田信成氏(32)が浜田美栄コーチ(60)からのモラルハラスメントに対して1100万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴したことが報じられました。
すると、織田信成氏自身のモラハラ発言の告発記事をNEWSポストセブンが報じています。「国に帰れ」と外国人選手に対して言った等の証言が出ているようです。しかし、これは「ブーメランだ」との声も上がっているのです。
オマエの代わりは掃いて捨てるほどいる
「地方出身の社員に対して、『帰れ。田舎の恥さらしめ』と編集部に響き渡る声で、出身地を晒して、怒鳴りつけたり、『死んででも、コメントを取ってこい』とスキャンダル記事の対象者の取材強要をして、電話を叩きつけたり日常茶飯事でした」(元週刊誌記者)
最近では、三菱電機の社員が上司から「死ね」と言われて自殺した事件が報じられ、上司が書類送検されています。
「管理職は全員パワハラ研修を受けているので、会社としては、予防策をしていたと思います。ただ、自分が新入社員の時に上司に恫喝されたから、自分が上司になったら、恫喝する番だと無意識リベンジする輩もいなくはないので、真面目にセルフコントロールしてパワハラを回避している大半は非常に迷惑しています」と三菱電機社員は語ります。
「新入社員の時に鬼デスクに脅されて育った社員が編集長やデスクになると、部下や嘱託記者に対してパワハラを行うのは、多々ありました。出社拒否、重度の鬱病等で、編集部を去っていった社員も少なくありません。『オマエの替えは掃いて捨てるほどほどいるんだから、支持に従わないならヤメろ』と私は、デスクから、机上の空論タイトルに沿う証言取材を強要されました。タイトルありきで、現実とは乖離した取材をしないと帰れないというブラックな環境でした」(週刊誌記者)
これは、法的にも問題でしょう。
「取材相手があっての取材にもかかわらず、デスクが望むコメントを記者に求めるのは強要です。できないことをやれというのは、録音あれば強要罪として、告発できます」(法律事務所関係者)
しかし、仕事を円滑に進めるために、悪魔に魂を売る人もいたようです。
「要領の良い極悪記者は、証言をねつ造して、パワハラ回避していました。メディアにおけるパワハラは、ヤラセやねつ造を誘発するリスクも高いのです」(元週刊誌記者)
最近は、コンプライアンス意識が浸透して、減ってはきたようですが、マスメディアのヤラセの温床ともなるパワハラ。他所を批判する前に襟を正していただきたいものです。(文◎花苑スープ)