世界最大規模のタクシー配車アプリ 長崎県内25社が提携

右が配車依頼時のスマートフォンのアプリ画面。左はタクシーに配備されるタブレット端末

 世界最大規模のタクシー配車アプリ「DiDi(ディディ)」が11日、長崎県内でサービスを開始した。顧客の利便性向上や効率的な配車が期待できるとして、県内25社が提携した。

 同サービスは、中国企業DiDiチューシンが7カ国で展開し登録者数は5.5億人、運転手は3100万人が利用している。国内ではソフトバンクグループとの合弁会社DiDiモビリティジャパン(東京)を昨年設立し、契約社数は400を超えた。本県は21都道府県目。長崎市、西彼時津、長与両町、佐世保市、大村市で主に使える。

 利用者はスマートフォンの無料アプリに目的地と乗車地を入力すれば、コールセンターを通さず、近辺にいる提携タクシーを直接呼べ、社名やナンバー、到着予測時刻などが画面表示される。支払いは現金も使えるが、配車依頼時にアプリ(クレジット、PayPay)決済を選んでおけばスムーズに降車できる。

 提携タクシーには専用タブレットを配備。配車依頼があると、最も近い運転手に受け付ける権利を与え、7秒以内に応じなければ次に近い運転手に回る仕組み。人工知能(AI)による需要予測で、道に不慣れな新人運転手でも実車率を上げやすく、事業者は車両が不足しているエリアに運転手を誘導できる。

 同日、県庁で会見した平和タクシーグループの田添太一代表取締役は、運転手の高齢化に伴う人手不足で車両の稼働率や売り上げが減少していると業界の現状を説明。「若年層や中国人観光客の利用増、効率的な車両運用、新たな人材確保が期待され、業界の大きな変革につながる」と述べた。

 初回利用時に千円分のクーポンを贈るなどキャンペーンを実施中。

サービス開始をアピールする提携タクシー会社の経営者ら=県庁

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