水素発電 実証実験へ 壱岐市が2020年度から

 壱岐市は11日、太陽光エネルギーを使い製造した水素を燃料にして発電するシステムについて、2020年度から実証実験を実施し、二酸化炭素(CO2)排出削減効果や経済性を検証することを明らかにした。
 市議会定例会12月会議で音嶋正吾議員の質問に白川博一市長が答えた。
 市は10月、市水素技術組合を設立し、市内外の企業と東京大先端科学技術研究センターの杉山正和教授らに業務を委託した。同組合は郷ノ浦町の養殖施設で、太陽光エネルギーを使い水を電気分解し、製造した水素を貯蔵。水素を燃料とするエンジンで発電し、1キロワット当たりの単価や発電量などを調べる。
 17年の市内の年間販売電力量は1億2200万キロワット時。このうち太陽光など再生可能エネルギーは1100万キロワット時で全体の約9%となっている。
 市は30年までに発電能力500キロワットの水素混焼(こんしょう)エンジン3基を導入し、再生エネの電力量割合を24%に引き上げる計画。その後はさらに設備を増強し、再生エネ発電100%を目指す。
 壱岐市は昨年6月、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に取り組む「SDGs未来都市」に選ばれた。9月には国内の自治体で初めて「気候非常事態宣言」をするなど、環境問題に積極的に取り組んでいる。

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