性暴力に抗議「フラワーデモ」 生花手に、神奈川県内初開催

「フラワーデモ」でプラカードや生花を手にする参加者=横浜駅西口

 性暴力と、性犯罪に対する司法判断に抗議する「フラワーデモ」が11日夜、神奈川県内で初めて、横浜駅西口の広場で開かれた。参加者は「#MeToo」「#WithYou」と書かれたプラカードや生花を手に、被害者に寄り添う気持ちを表した。

 フラワーデモは、3月に性犯罪の無罪判決が4件相次いだことを受け、作家の北原みのりさんが「抗議の意思を示そう」と呼び掛けたことを機に始まった。4月11日に東京駅で初めて開かれた後、毎月11日に各地で行われるようになり、11月までに29カ所で開催されている。

 今回、県内初となるフラワーデモは県内在住の女性(48)と横浜市出身の女子大学生(20)が企画した。デモ開催をツイッターで告知したのは開催わずか9日前だったが、約30人が集まり、プラカードや生花を手に約1時間、それぞれの思いを静かに示した。

 デモを企画した女性(48)は、14歳から17歳までの3年間、ほぼ毎日、実父から性暴力を受けていた。今年8月、東京でのデモで、自らの体験を初めて公の場で口にした。

 「泣きながら『本当は助けてほしかった』と話したんですが、皆さんが本当に真剣に話を聞いてくれた。それまで『死にたい』という症状が何をしても止められなかったんですが、気が付いたらその思いがなくなっていた」

 3月に相次いだ無罪判決では、裁判所が、父親が娘に性虐待を繰り返していた事実を認める一方、娘の抵抗は「著しく困難だったとは言えない」と判断したケースがあった。

 女性は「現在被害に遭って苦しんでいる子どもたちを助けることができる世の中に変えていきたい」と語る。

 性犯罪をめぐっては、2017年に110年ぶりに刑法の規定が改定されて厳罰化が進み、3年をめどに見直す付帯決議がなされた。性被害の当事者らは法務省に対して、意思に反した性交を処罰する「不同意性交罪」の新設を含めた法改正を求めている。

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