長崎駅新ビル計画 商店街「大きな脅威」、 競争懸念

新駅ビルの1~3階が商業施設、4~6階はオフィスとなる。後方の高層ビルはホテル(JR九州提供)

 JR九州が12日に示した新たな長崎駅ビル(長崎市)の概要について、近隣の商店街関係者らは「大きな脅威」と競争激化を懸念。一方、観光関係者は、新たな客層を開拓し、交流人口の拡大につながることを期待した。
 「駅一極集中が進んでしまう」。国道を挟んで駅向かいにある商店街と自治会でつくる長崎駅前地区まちづくり協議会の岩崎誠一副会長(70)は危機感を募らせる。商店街の主な客は長崎駅の利用者ら。再開発で駅舎との距離が現在より150メートル離れることもあり「客足が遠のき、“陸の孤島”になりかねない」と肩を落とした。
 市中心部の浜市商店連合会の本田時夫会長(66)は「オーバーストア(店舗過剰)の状態の中、商業床が増えるのは大きな脅威。今後さらに分散が進むだろう」と警戒。「浜んまちの強みは歴史と文化。特性を高め、アピールしていきたい」と語った。
 一方、新駅ビルの近隣地に高級ホテル「ヒルトン長崎」を先行してオープンさせる松藤グループ(同市)の松藤章喜代表は「(客層が)競合するが、交流人口拡大という同じ目標に向け、一緒に長崎の価値を高めていければ」と話した。

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