長崎大のBSL4建設 差し止め申請却下 長崎地裁

 長崎大が長崎市の坂本キャンパスに建設中の感染症研究施設「バイオセーフティーレベル(BSL)4」を巡り、反対派住民ら2人が建設差し止めを求めた仮処分で、長崎地裁(武田瑞佳裁判長)は12日、申し立てを却下する決定をした。
 住民らは、BSL4で扱うエボラウイルスなど危険な病原体が漏れると、市民の生命や健康に危害を及ぼすと指摘。病原体が施設外に漏れても住民が直接接触しない場所に建設すべきなどと主張していた。
 武田裁判長は決定で「病原体が外部に漏れ、債権者らの生命、身体、健康を侵害する具体的な危険性があると認められない」とした。坂本キャンパスの近くに住む申立人の下川高志さん(54)は「審尋で2度も取り下げを勧められていた。裁判所からも味方になってもらえずとても残念。高いハードルを感じたのでどうしたらいいか分からない。今は異議申し立てなどは考えていない」と話した。

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