伊藤美誠、世界1位に苦杯 「負けない選手になりたい」<卓球・グランドファイナル>

写真:伊藤美誠(スターツ)/撮影:ラリーズ編集部

<ITTFワールドツアーグランドファイナル 12月12日〜15日>

14日、ITTFワールドツアーグランドファイナルでは女子シングルス準決勝が行われた。日本からは完璧なカット打ちで佐藤瞳(ミキハウス)を完封した伊藤美誠(スターツ)が登場し、世界ランキング1位の陳夢(チェンムン・中国)にゲームカウント1-4で敗れた。

伊藤美誠、世界ランキング1位に及ばず

写真:グランドファイナル入場時の演出/撮影:ラリーズ編集部

両者の直近の試合はスウェーデンオープン決勝で、伊藤がゲームカウント3ー1で、陳夢を追い詰めたものの逆転を許した。

今回の試合では、1ゲーム目10ー4と陳夢がセットポイントを握り、いきなり伊藤を大きく突き放す。しかし、冷静さを貫き通した伊藤が驚異の8連続得点で1ゲーム目を逆転で奪う。陳夢は1ゲーム目にしてタイムアウトを使わされる予想外の展開に。

しかし、続く2ゲーム目からは陳夢が台から少し距離を取って対処し、伊藤の変化に富んだブロックをミスせずに打ち抜く。緩いループドライブと鋭いパワードライブを織り交ぜた緩急で伊藤のブロックミスを誘い、2ゲームを連取する。

写真:伊藤美誠(スターツ)と陳夢(中国)/撮影:ラリーズ編集部

何としてでも追いつきたい伊藤は4ゲーム目、多彩なレシーブで7ー2と大きくリードしたが、陳夢はバックサイドを切るサーブを徹底し、伊藤のレシーブを単調にすることでデュースでゲームを奪った。このゲームが勝敗を決定づけたであろう。

ゲームカウント1ー3で後がなくなった伊藤は、陳夢の威力ある打球に負けないように表ソフトで強打を跳ね返すが、攻め急いだミスで中々リードを奪えない。対する余裕のある陳夢はミスのないラリー力と、徹底したバック側へのハーフロングのサーブで伊藤の追随をシャットアウト。

最後は伊藤のバックへのバックドライブを、伊藤がミスしてゲームセット。伊藤はスウェーデンオープンのリベンジを果たすことはできなかったが、シングルスで日本選手唯一のベスト4入賞となった。

試合後のコメント

写真:ベンチで指示を聞く伊藤/撮影:ラリーズ編集部

伊藤は1ゲーム目について「なかなか中国選手相手に離されて挽回することはないので、少しは自信になったかなと思う」と手応えを得た様子。ただ一方で「相手選手も対策をしてきて、自分の卓球をできなかったのが良くなかった。どんな状態であれ勝つことが大事なので、良くなくても勝てるような実力をつけたい」と反省も述べた。

今年の国際大会を終え、来年2020年に向けては「東京の前に負けない選手になりたいし、自信をつけて東京に行きたい。中国選手とやるとき、余裕を持って戦えるくらいの実力をつけていきたい」と今後を見据えた。

詳細スコア

写真:陳夢(中国)/撮影:ラリーズ編集部

伊藤美誠 1-4 ◯陳夢(中国)
12-10/8-11/5-11/11-13/11-13

文:ラリーズ編集部

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