今季の12球団ベスト&ワースト助っ人は誰? 阪神と西武の右腕がベスト投手

阪神のピアース・ジョンソン【写真:荒川祐史】

阪神のジョンソンは40ホールド、防御率1.38の驚異的な成績

 ソフトバンクが3年連続の日本一に輝き、幕を閉じた2019年のプロ野球。12月に入ってすっかりシーズンオフとなり、契約更改や来季に向けた新戦力の獲得、そして退団者の情報が球界では飛び交っている。

 各球団の助っ人に関しても、動きが出始めている。セ・リーグを5年ぶりに制した巨人はマシソンが現役を引退、ゲレーロ、クック、ヤングマン、ビヤヌエバ、アダメス、マルティネスが自由契約と一気に7選手がチームを去った。代わってナショナルズから入団するパーラを筆頭にビエイラ、サンチェスが加入する。広島はレグナルトやヘルウェグが退団。中日のロドリゲスはレンジャーズへの移籍が決まった。

 パ・リーグでも連覇を果たした西武がマーティンやヒースを放出し、左腕のノリンとスパンジェンバーグを獲得。3年連続日本一となったソフトバンクもミランダ、スアレスが退団となった。ロッテはブランドン、レイビン、ボルシンガー、バルガスと4選手がチームを去り、元広島のジャクソンらをチームに加えた。

 今季もチームの期待に応えて活躍した助っ人、期待に添えなかった助っ人と様々だった。ここでは助っ人それぞれの年俸、当初の期待値なども鑑みた上でセパ両リーグのベスト助っ人とワースト助っ人を選定してみた。なお故障で長期間にわたって離脱した選手は除いた。(金額は全て推定)

【セ・リーグ】
○ベスト
投手:ピアース・ジョンソン(9000万円)
58試合2勝3敗0セーブ40ホールド 防1.38
野手:ネフタリ・ソト(9500万円)
141試合516打数139安43本108点 .269

○ワースト
クリスチャン・ビヤヌエバ(2億2500万円)
73試合202打数45安8本24点 .223

 セ・リーグは今季、助っ人勢の活躍が目立った。投手陣では阪神のジョンソン、中日のロドリゲス、DeNAのエスコバーらリリーフ投手、打者でもヤクルトのバレンティンや中日のビシエド、DeNAのソトやロペスらがチームの中心となった。

 その中でもベスト助っ人に推したいのは投手では阪神のジョンソン、野手ではソト。ジョンソンは今季加入すると阪神のセットアッパーとして58試合で40ホールド、防御率1.38と驚異的な成績を残した。ソトは昨季加入し、今季が2年目。2年連続で40本塁打超を放ち、2年連続の本塁打王に輝いた。

ニールは外国人最多連勝記録タイとなる11連勝をマークするなど12勝1敗

 中日のロドリゲスやビシエドも遜色ない活躍を見せたが、ジョンソン、ソトともに年俸1億円を切るコストパフォーマンスを誇り、チームのAクラス入りに貢献した2人を今季のベスト助っ人に選んだ。

 一方で、ワーストは巨人のビヤヌエバ。故障者などを除き、期待に応えられなかった。パドレスで20本塁打を放った実績を引っ提げて鳴り物入りで加入したが、鳴かず飛ばず。打率.223、8本塁打に終わった。年俸2億円超、当初の期待度から見れば、大きく期待を裏切る形となった。

【パ・リーグ】
○ベスト
投手:ザック・ニール(7150万円)
17試合12勝1敗0セーブ0ホールド 防2.87
野手:ジャバリ・ブラッシュ(1億2000万円)
128試合426打数111安33本95点 .261

○ワースト
ジョーイ・メネセス(1億1000万円)
29試合102打数21安4本14点 .206

 パ・リーグのベスト助っ人には投手で西武の連覇に貢献したニール、野手では楽天のブラッシュを選ぶ。右腕のニールは外国人の最多連勝記録に並ぶシーズン11連勝をマークするなど、12勝をあげた。チームトップの勝ち数をあげて1人で11個の貯金を作り、チームの2年連続リーグ制覇に大きく貢献。年俸が7150万円と高額ではない中で特筆すべき活躍だった。

 野手では楽天のブラッシュ。今季新加入ながら、33本塁打95打点と楽天打線の中心として大活躍。三振数はリーグワースト2位の157、打率は.261と高くないものの、出塁率が.397と高く、チームへの貢献度が高い助っ人だった。投手ではソフトバンクのモイネロやグラシアルも、ニールやブラッシュに負けず劣らずの働きだった。

 ワーストにはオリックスの新助っ人として期待されたメネセスを挙げる。開幕前の侍ジャパン強化試合ではメキシコ代表の一員として打ちまくったが、開幕後は奮わず。右手の痛みで登録抹消されると、その後は禁止薬物への陽性反応で出場停止処分を科されて、そのまま契約解除となった。

 来季はオリックスにメジャー通算282本塁打のアダム・ジョーンズ、そして巨人にパーラ、阪神にボーアとメジャーでの実績もある助っ人たちがNPBにやってくる。果たして期待通りの活躍を見せてくれるのは誰か。来季も助っ人たちから目が離せない。(Full-Count編集部)

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