商業施設、激しさ増す集客競争 「個性」勝負や増床…一方で撤退も・京都中心地

12月9日開業の「グッドネイチャーステーション」(左)。京都マルイが来年5月に撤退するなど周辺は競争が激しい=京都市下京区

 京都市内の中心繁華街、四条河原町一帯で、商業施設の新規出店や撤退が相次いでいる。近年の訪日観光客の急増を背景に、店舗間の集客競争が激化。既存店舗と差別化するため、コンセプトを明確に打ち出して顧客の囲い込みを図る施設も目立つ。

 「京都から『ビオスタイル』を世界に発信する。これまでにない施設にしたい」。今月9日に京都高島屋(下京区)南側に開業した京阪グループの大型複合商業施設「グッドネイチャーステーション」の式典で、施設運営子会社の高原英二社長は力を込めた。
 ビオスタイルとは、健康や環境を意識した生活を指す。施設は9階建て延べ約2万7千平方メートルで、物販や飲食店、ホテルを含む京阪の旗艦店。グループで展開する百貨店やスーパーとは一線を画し、生活スタイルの提案を重視。商品や顧客層を大胆に絞り込んだ。
 一方、大丸松坂屋百貨店は今春、女性の美容と健康をテーマに、物販やフィットネスクラブを集めた「BINO東洞院」(中京区)を大丸京都店の北側に開業。河原町通沿いの「ミーナ京都」(同区)では、ユニクロを4フロアに増床し、「京都ゆにくろ」の愛称で11月下旬に大規模にリニューアルした。のれんや格子など京都らしいデザインを内観に採用し、独自色を強める。
 各店が「個性」を打ち出す一方、売り上げの伸び悩みで来年5月の撤退を決めたのが、四条河原町の「京都マルイ」(下京区)だ。一帯のにぎわいをけん引した「四条河原町阪急」の後を継いで2011年にオープン。衣料や宝飾品のほか、訪日客需要を狙って総合免税店「ラオックス」を誘致するなど差異化を図ったが、「売り上げ目標に届かなかった」(丸井グループ)という。
 市内の百貨店で売り上げ規模が最大の京都高島屋は、早ければ23年にも四条通に面するビル3棟を1棟に集約し、売り場面積を現在より1割程度増やす方針だ。四条通に接する店舗の間口を広げ、通りを歩く観光客らへのアピールに生かす。
 京都駅前への投資が一段落し、四条通界わいで新規出店が目立つ現状に、四条繁栄会商店街振興組合は「これまで取り組んできた環境整備の結果。インターネット通販の普及や消費増税もあって小売業を取り巻く環境は厳しいが、にぎわいが生まれるのは歓迎したい」と受け止める。

 各店が「個性」を打ち出す一方、売り上げの伸び悩みで来年5月の撤退を決めたのが、四条河原町の「京都マルイ」(下京区)だ。一帯のにぎわいをけん引した「四条河原町阪急」の後を継いで2011年にオープン。衣料や宝飾品のほか、訪日客需要を狙って総合免税店「ラオックス」を誘致するなど差異化を図ったが、「売り上げ目標に届かなかった」(丸井グループ)という。

 市内の百貨店で売り上げ規模が最大の京都高島屋は、早ければ23年にも四条通に面するビル3棟を1棟に集約し、売り場面積を現在より1割程度増やす方針だ。四条通に接する店舗の間口を広げ、通りを歩く観光客らへのアピールに生かす。

 京都駅前への投資が一段落し、四条通界わいで新規出店が目立つ現状に、四条繁栄会商店街振興組合は「これまで取り組んできた環境整備の結果。インターネット通販の普及や消費増税もあって小売業を取り巻く環境は厳しいが、にぎわいが生まれるのは歓迎したい」と受け止める。

四条通周辺の主な商業施設

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