首都高小松川JCT、開通後1日でわかったカーナビアプリの「性能差」

高速道路や新しい施設ができた時、カーナビはどのタイミングでアップデート(地図画面に反映)されるのでしょうか。実際に“プチ・テスト”してみました。


首都高速の新ジャンクションが完成

2019年12月1日17時に首都高速道路(以下:首都高)の小松川JCT(ジャンクション)が開通しました。これにより「C2」と呼ばれる中央環状線の埼玉方面と小松川線(7号線)が繋がり、大きく移動時間が短縮されます。

それでは最近人気のカーナビアプリはどのタイミングで反映されるのでしょうか。現在、世の中に出回っているアプリの数は有料・無料も含め数え切れない程あります。

今回は開通後、約21時間過ぎた12月2日の15時前に各ナビアプリの画面キャプチャを行いました。また実走で小松川JCTの利便性もチェックしてみました。

※実際の走行時の撮影は当然ドライバーではなく、カメラマンがシートベルトを着用した状態で行っています。12月1日から道交法が改正され、スマホなどの操作に対する罰則が非常に厳しくなっています。

各アプリ、実際どうなっている

それでは各アプリの画面を実際キャプチャしてみた結果を表示します。キャプチャは基本縦画面で行っています。

●Googleマップ(無料)
誰もが使っている地図アプリの代表格ですが、14:31の段階では小松川JCTは反映されていませんでした。

Googleマップは見やすいので多くの人が使っています

●Android Auto(無料)
Googleマップを活用し専用機器(ディスプレイオーディオ)に接続することで大画面で地図を確認できます。Googleマップを使っているので結果としては反映されていません。

Android Autoは独自の交通情報を活用して案内してくれます

●Yahoo!カーナビ(無料)
カーナビ専用アプリとしては人気が高い、言い換えれば「定番商品」。アップデートも早く、機能も豊富です。まず90mスケールで見ると渋滞情報(順調表示)は反映されているのに道路は反映されていません。

まずオススメなのがYahoo!カーナビ。何と言っても無料です

それでは、ということで縮尺を40mスケールに拡大したのですが、同等の結果でした。

●インターナビポケット(有料)
ホンダが市販車に搭載しているテレマティクスサービスである「インターナビ」をスマホ向けにアプリ化したもの。基本機能のみ無料ですがカーナビとして使う場合は有料となります。

56mスケールでは破線が表示されていますが、地図には反映されていませんし、国道14号のすぐ南にできた料金所も出ていません。

渋滞情報なども見やすく、渋滞回避能力も高いのが特徴です

しかし、地図を拡大すると、道路が反映されていました。ちなみに現在ではどのスケールでも地図は更新されています。

●TCスマホナビ(無料)
トヨタが開発したスマホナビで独自の渋滞情報である「Tプローブ交通情報」を搭載し、ルートを探索します。また災害時に表示する「通れた道マップ」は高い評価を受けています。

14:37の段階では破線、つまりこの後地図に反映されることが予定されている状況になっています。

TCスマホナビの渋滞情報はVICSとは異なるものを使っています

これを一段階拡大すると地図上に反映されていました。徐々に反映が行われており、ホンダ同様現在ではどの縮尺でも表示されています。

●ドコモ ドライブネット(有料)
ドコモとパイオニアが共同開発したカーナビアプリ。最大の特徴はカロッツェリアブランドで高い評価を受けているリアルタイム渋滞情報である「スマートループ」を活用することができます。

14:36の段階では、使用頻度が高く標準的な表示と言える100mスケールでは地図は更新されていません。

選択できるルートは6つと多彩なのも特徴です

それでは市街地詳細地図でもある50mスケールに変えてみたところ、こちらも反映は無し。実はこのアプリの地図更新は年12回、タイミングが合わないと地図は更新されません。ちなみに10日後に確認した段階でも更新はされていませんでした。

●LINEカーナビ(無料)
AIアシスタント「Clova」を使うことでLINEの送受信まで音声で行えるAIナビ。ナビエンジン(基本システムと考えればいいです)はトヨタ製です。

14:39段階では地図は反映されていませんでした。ちなみに平均で1週間程度で反映と書かれていますが、9日後の段階でもまだ反映されていません。ただ基本機能は優れているはずなので今後に期待です。

基本、スマホに触れることなく操作できるのは魅力的です

●カーナビタイム(有料)
有料ということもあり、常に最新機能のアップデート、スマホのカメラを活用してドライブレコーダーとしても使える「神アプリ」です。

筆者が今回チェックした中では地図更新の反映は最も早く確実。小松川の料金所表示もしっかり反映されています。

一方通行表示や更新情報も満足できる内容。有料ならでは本格的アプリです

●【番外編】トヨタ純正カーナビ(有料)
筆者所有のトヨタ純正HDDカーナビです。現在のトヨタの純正カーナビは「T-Connect(コネクト)」と呼ばれますが、このナビは一世代前の「G-BOOK mx」。筆者は中古車で購入後、新規でこのサービスに申し込みました。これによりDCMと呼ばれる通信機器が使え「マップオンデマンド」と呼ばれる地図更新のほか、数多くのサービスが使えます。

過去の経験上、純正&市販カーナビ、つまり「専用品」はこの分野が強かったのですが、残念ながら更新はされていませんでした。

2013年式ですが、有償で全地図更新を行い、通信も再契約しました

12月4日に実走テスト

首都高四つ木から入り、千葉県の千葉北出入り口で降り、千葉県佐倉市までのルートを設定しました。

今までは中央環状線経由ですと葛西JCTを経由した東関道ルートが選択肢が無かったのですが、小松川JCTの完成で京葉道路経由で向かうことができます。

しかし純正ナビはこの段階でも(12月4日、午後3時)道路は更新されていないので東関道経由のルートで案内されます。

一方で同時にナビアプリ「カーナビタイム」を使ったところ、当然小松川JCTは反映されているので違うルートを案内します。

到着予想時刻も葛西JCT経由ですと16:12頃なのに対し、小松川JCT経由ですと15:54と18分も早い予想、さらに料金もこの時間帯の登録車だとETC利用で葛西経由だと1670円なのに対し、小松川経由は1170円と500円、つまりワンコイン分も安くなります(往復ならランチを2回食べられますね)。

小松川JCT経由で確実に案内してくれた「カーナビタイム」お見事です

よく使う道であれば“肌感覚”も含め、どちらが早く到着できるかはわかる人も多いでしょう。ただカーナビは渋滞回避能力なども持つことからアプリであっても専用品であってもドライブには有益です。

ちなみに前述した各アプリも日々アップデートを行っており、今回の地図更新や機能なども日々進化を続けています(Googleマップなども反映されました)。それでも初めて通る道がちょうど開通の直後であれば地図更新が早く、確実なアプリの方が役立つはずです。

カーナビアプリの良い部分は使ってみて自分に合わなければアンインストールすれば良いだけです(但し基本的には無料アプリに限ります)。年末年始の帰省やドライブなどもカーナビをぜひ活用してスムーズかつ安全な運転を心がけてください。

【追加情報】12月5日18:37、筆者の純正カーナビにも小松川JCTが反映されました

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