ビジネスプランGP 五島海陽高 全国ベスト100選出

全国ベスト100に選ばれた未利用野菜の活用プランを考案した生徒=五島海陽高

 全国の高校生が起業のアイデアを競う「高校生ビジネスプラン・グランプリ」で、長崎県五島市の県立五島海陽高(古川賢一郎校長)3年生の提案が、3800件余りの応募の中でベスト100に選ばれた。地元農家から、規格外などのため出荷できない未利用野菜を低価格で仕入れ、ドレッシングやふりかけなどに加工、販売する事業。地産地消の促進やごみ削減、地元農家のPRなどにつながると考えた。
 日本政策金融公庫が毎年開き7回目。全国の409校から3808件の応募があった。県内からは、いずれも初めて応募した同校と青雲高の2校がベスト100に選ばれた。
 五島海陽チームは小村聖乃(きよの)代表(18)ら人文・自然系列の男女11人。今年4月以降、総合学習の一環で島の活性化策を検討してきた。地元企業などに出向いて島内の課題を聞き取る中で、未利用野菜の存在を知り、テーマに設定。同校生徒や教職員ら計267人に好みの味などを尋ねるアンケートを取ったり、同公庫職員に収支計画の作り方を教わったりしてきた。
 完成プランでは、市民や観光客をターゲットに、カボチャやニンジンなどを加工したドレッシング(100~500ミリリットル)を98~298円、ふりかけ1袋(28グラム)を110円で販売。仕入れ代や人件費、家賃などを差し引き、最初の1年で約1300万円の利益を見込む。軌道に乗れば、製造過程で出た生ごみを肥料にして農家に提供したり、海外にネット販売したりする案も盛り込んだ。
 同公庫は16日、同校で生徒に表彰状を授与。長崎支店の淵上眞吾支店長は「雇用拡大や地産地消に着目し、地方創生に資する素晴らしいプラン。後輩とも協力し、実現に向け努力してほしい」と評価。メンバーの柴田茉生(まお)さん(18)は「地域の方々も五島活性化のために協力的だった。卒業して一度は島を離れるけど、いつか帰ってきて地域のために働きたいと感じた」と話した。

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