修復現場から伝統の技学ぶ 球磨工高生が阿蘇神社見学

修復部材の説明を聞く球磨工高の生徒たち=阿蘇市

 熊本地震で被災した伝統建築物の復旧現場を知るため、球磨工高(人吉市)の建築科2年と伝統建築専攻科1年の生徒42人が10日、阿蘇市一の宮町の阿蘇神社を見学した。

 倒壊した国重要文化財の楼門で使われていた部材が保管されている倉庫で、生徒は巨大な柱や加工の跡に目を凝らした。将来、社寺建築の世界を目指す生徒もおり、工事関係者の「新しく修復した部分は、墨で塗って古い部分と見分けにくくする」「鉄くぎはさびて木が膨張する可能性があるので、なるべく使わない」などの説明にうなずいていた。

 丁寧にメモを取っていた緒方飛鳥さん(17)は「元の材料をできる限り使う工夫や最新技術も取り入れることも知った。本物を間近で見て勉強になった」と話した。(山下友吾)

熊本日日新聞 2019年12月12日掲載

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