長崎スポーツ この1年(2) 南部九州インターハイで長崎県勢健闘 昨夏からメダル倍増

“春夏連覇”を達成して喜ぶソフトボール男子の大村工の選手たち=宮崎県日向市、お倉ケ浜総合公園野球場

 南部九州4県(鹿児島、熊本、宮崎、沖縄)を主会場に行われた夏のインターハイ。県勢はソフトボール男子の大村工、登山男子の長崎北陽台、陸上男子八種競技の池田塁(諫早農)、レスリング女子57キロ級の吉武まひろ(島原)が優勝した。メダル獲得数は12個(金4、銀3、銅5)で、昨夏の5個から2倍以上増えた。
 ソフトボール男子は台風の影響で準決勝、決勝は実施せず、準決勝に進んだ4校を「同時優勝」とした。決着をつけられなかったのは惜しまれるが、大村工は“春夏連覇”を果たした。登山の長崎北陽台は女子も2位入賞。池田保幸監督の教職員再任用ラストイヤーを好成績で飾った。
 陸上の池田とレスリングの吉武は、それぞれの種目で県勢初の頂点に立った。バドミントン男子ダブルスの中島巧・杉本一樹組(瓊浦)も県勢過去最高の銀メダルを獲得。柔道男子81キロ級の老野祐平(長崎日大)は全国初入賞を決めた勢いに乗って準優勝した。
 個人で銅メダルを手にしたのは剣道男子の齋藤瑞貴(島原)、陸上女子三段跳びの佐伯舞子(純心女)、男子三段跳びの廣田麟太郎(長崎日大)。団体はハンドボール男子の瓊浦、なぎなたの松浦が3位入賞した。1、2年生の健闘も目立ち、来季の飛躍を予感させた。
 来夏のインターハイは東京五輪・パラリンピックの影響で、主会場の北関東4県(群馬、茨城、栃木、埼玉)での全競技開催が不可能になった。7月22日に三重県で開かれるアーチェリーを皮切りに、8月25日まで21府県で分散開催される。
 異例な年となるが、高校生アスリートにとっては変わらずに最高の舞台。例年通りに盛り上がるよう、高体連や開催地の関係者を中心に物心両面での支援が求められる。報道陣も可能な限り、活躍を伝えていきたい。
 長崎県も松浦市がなぎなたの会場に決まっている。6月に同市実行委が発足し、PRグッズや横断幕を作製した。官民一体となって「心に残る大会」を目指してほしい。

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