信号機4基増設、衝突事故で京急 900メートル前視認へ

トラックと衝突し傾いた車両=9月5日午後1時ごろ、横浜市神奈川区

 横浜市神奈川区の京急線の踏切で9月、下り快特電車と大型トラックが衝突した事故で、京浜急行電鉄(横浜市西区)は18日、踏切の異常を点滅して知らせる発光信号機を現場付近に4基増設すると発表した。これまで3基設置されていたが、増設で運転士が異常を認めてからブレーキ操作を判断するまでの時間が従来の約1.5秒から約11秒に延びるという。

 21日から運用を開始する。京急は快特電車が最高速度の時速120キロで走行した場合、非常ブレーキをかけてから止まるまでの距離を517.5メートルに設定している。増設によって、運転士が最初に発光信号機の点滅を視認できる地点は、踏切の手前約570メートルから約900メートルとなる。

 また京急は、発光信号機の設置ルールを見直し、運転士がブレーキ操作にかけられる時間を従来より長くする運用に改めた。これに基づき、時速120キロで走行する区間の踏切を中心に増設を進めていくという。

 事故は9月5日午前11時45分ごろに発生。踏切に立ち往生したトラックと快特電車が衝突し、トラックの男性運転手=当時(67)=が死亡、乗客ら37人が負傷した。

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