今が旬!!冬の味覚の王者『越前がに』とは?最高級ブランドがすごい? 東京でも食べられるお店あり!

越前がにとは

越前がにとは、福井県内でとれるオスのズワイガニのことを指します。

その味わいは『冬の味覚の王様』とも形容され、毎年11月6日に漁が解禁されると、県外からも越前がに目当てに多くのファンが訪れるほど。

唯一皇室に献上されているカニでもあります。

メスのセイコガニも美味しい!

福井県では、ズワイガニのメスを『セイコガニ』と呼びます。

越前がにより小ぶりで、身の部分は少ないですが、ミソとたまごはぎっしり! ミソと内子、外子(卵)を混ぜれば、最高の酒の肴に。

福井県民の中には、越前がによりもセイコガニが好き!という人も少なくありません。

最高級越前がにブランド『極』

2016年の「極」の剥製

2015年度には、越前がにの最高級ブランド『極(きわみ)』が誕生しました。

甲羅幅14.5cm以上、重さ1.3kg以上(越前町では1.5kg以上)、爪の幅3cm以上の規定をクリアしたものの中から、さらに、プロが見た目の美しさなどを厳しくチェックして選ばれるので、極に認定される越前がには本当に稀。

漁獲される全ての越前がにの中でたったの0.05%ほどしか認定されることはなく、初競りでの値段が40万円を超えたことも。

仲買人さんや購入するお店の方が納得しなければ、極認定が取り消されてしまうこともあるくらい、その審査は厳しいものなんです。

指が短いだけで極になれなかった越前がに

しかし逆に言えば、極と遜色ない大きさにもかかわらず、値段はややお手頃(極に比べれば…)なるので、惜しくも極になれなかった越前がに(『極落ち』と呼ばれる)と出会うことができたらラッキーかも!

また、越前がにと言えば、本物の証である『黄色いタグ』がついていることで知られていますが、極にはさらにもう一つタグがつくんです。

黒地に金色の高級感あふれるタグがかっこいい!

このタグは、この地域の伝統工芸品『越前焼』で作られています。(窯元:国成窯)

越前がにが美味しい時期

<越前がにの漁期>
【ズワイガニ】11月6日〜翌年3月20日
【セイコガニ】11月6日〜12月31日
【水ガニ】2月19日〜3月20日
※2019年11月現在

11月6日に日付が変わった瞬間に漁が始まり、翌朝以降、越前がにをのせた船が港に帰ってきます。
その後夕方に競りが行われるため、シーズンで初めて越前がにを食べられるのは、11月7日のランチとなることが多いです。

美味しいと言われるのは12月~2月にかけて。
その後は『水ガニ』『ずぼがに』と呼ばれる、水分の多いカニになっていきます。

また、セイコガニは漁期が短いので、旬を逃さないように気をつけて!
外子(受精卵)は、解禁直後はオレンジ色っぽいですが、12〜1月は成熟するにつれて色が黒っぽくなっていき、チーズのようなコクが味わえます。

越前がにの歴史

越前がに漁は、日本で最も古くからなされていたカニ漁で、室町時代にはすでに行われていたと考えられています。

『越前蟹』の名称が出てくる最古の記録は、京都の公家・三条西実隆の1511年3月20日の日記の中。
ここに、「越前蟹を贈った」との記述があるんだそうです。

また、初めて皇室に献上されたのは明治42年だと考えられており、年が明けた明治43年には、越前町(旧四ヶ浦町)でとれた越前がにが皇室に献上されたことが、当時の大阪の朝日新聞に載っています。
(現在献上されているのは坂井市でとれたもの)

越前がにの歴史や生態を知るなら『越前がにミュージアム』へ>>越前がにミュージアムで越前がにの生態や歴史、漁の仕方を学ぼう!
越前がに漁当日の街の様子は?>>出漁式・出港・初競り・極審査の様子はこちら

『越前がに』『越前蟹』『越前かに』?正しい名前は?

街中で見かける看板には、『越前がに』『越前かに』『越前蟹』『越前ガニ』など、さまざまな表記があります。

福井県内での話し言葉を聞いていると、ほとんどの人が「エチゼンガニ」と言っているように感じるので、「越前かに」というのはちょっと違うのでは?と思います。

飲食店などでも『越前がに』と表記しているところが圧倒的に多い気がしますが、本当のところは全くわからないので、越前がに漁の盛んな越前町の観光連盟の方に質問してみました。

すると…

「特にこれ!というのは決まっていないです。 ですが、商標登録しているのは『越前がに』という表記であるため、パンフレットやポスターなど、公式で出す媒体では『越前がに』で統一しています」

とのこと。

また、2018年には『越前がに』がGI(地理的表示保護制度)に登録されたため、これからはさらに『越前がに』がスタンダードになりそうです。

ちなみに、某公共放送局のニュースでは『越前がに』という名前が出ることありません。
特定の商品名になってしまわないよう、『ズワイガニ』という名前で放送されるんだそうです。

さらにもう一つ。
そのテレビ局は、越前がに漁解禁初日の漁の様子をほぼ毎年船上で撮影するのですが、当日の放送に間に合わせるために、船が港に戻るのを待つのではなく、テープを受け取るためだけにわざわざ別の船をもう一隻出しているとか…。
越前がには、それだけ福井において大切な食文化なんです。

越前がにが食べられる旅館

最後に、私が実際に行ったことがある、越前がにが食べられる旅館、飲食店をご紹介します。

福井県内には、越前がにが食べられるお店が数え切れないくらいあるので、お気に入りを探しに行ってみてください!

越前の宿 うおたけ【越前町】

県内で水揚げされる越前がにの7割が漁獲される、越前町にある旅館です。

フルコースなら、かに刺、焼き、かに味噌豆腐、鍋、セイコガニ 、釜飯、茹でがになど、これでもかというくらい越前がにが堪能できますよ!

向かいが系列の飲食店になっているので、泊まらなくても利用できます。

地元でしか食べられないかに刺しは絶品!旅館うおたけの越前がにプラン大公開!【越前町】

越前厨温泉 あらき【越前町】

こちらも越前がにづくし!

しかも、天然温泉なのが嬉しいんです。 露天風呂やお部屋から見える海、夕日が本当に絶景です。

越前がに漁が盛んな福井県越前町で贅沢フルコースを堪能! お風呂、部屋からの絶景も素晴らしいお宿「あらき」

べにや【あわら温泉】

上皇陛下もお泊まりになったことがある、福井を代表する老舗旅館です。

かにが食べやすい状態にしてあったり、仲居さんが目の前で焼いてくれたり、至れり尽くせりで越前がにが食べられます。

※現在休業中。2021年春再開予定です。

上皇陛下もお泊まりになったあわら温泉屈指の老舗旅館「べにや」冬限定の越前がには絶品の一言!【福井県】

越前がにが食べられる飲食店

食処えちぜん【越前町】

港の目の前にある漁協直営のお店です。 海を眺めながら食事できるのが嬉しいです!

漁協直営!「食処えちぜん」で海を眺めながら豪華な海鮮丼を食べよう!【越前町】

ふくい、望洋楼【東京・南青山】

東京でも越前がにを味わえるお店があります。

福井の古民家を移設したお店で、東京にいながら福井気分を味わえます。

東京で越前がにを堪能!望洋楼で福井の冬の味覚の王様を楽しもう【東京・南青山】

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