3位楽天の戦力整理…"大黒柱"嶋が退団、監督1年で交代 20歳西巻ら大量15人戦力外

楽天からヤクルトに移籍した嶋基宏【写真:荒川祐史】

大量15人戦力外、ハーマン自由契約、ロッテFAの鈴木、前パドレス牧田を獲得

 昨季途中から監督代行を務めていた平石洋介氏が監督に就任し、2018年の最下位から71勝68敗4分の3位に躍進した楽天。CS進出も果たしたが、日本一となったソフトバンクにあと一歩及ばなかった。来季に向けて2軍監督だった三木肇氏が新監督に就任し、打倒ソフトバンク、西武を目指す。

 補強では積極的な動きを見せる。ロッテから国内FA権を行使していた鈴木大地内野手、西武で活躍した後に2018年から米球界に挑戦していた牧田和久投手を獲得した。

 一方で、国内FA権を行使した美馬学投手がロッテに移籍。嶋基宏捕手も退団してヤクルトに移籍するなど2013年の日本一を経験した功労者がチームを去った。さらにはセットアッパーのフランク・ハーマン投手とは交渉が難航。高卒2年目の西巻賢二内野手ら大量15選手が戦力外となった。今江年晶(敏晃)内野手は現役を引退した。

 ここで今季で引退、戦力外となった選手の実績などを振り返ってみよう。

○今江敏晃内野手(現役引退→育成コーチ)

 PL学園から2001年ドラフト3位でロッテに入団。2005年に132試合に出場し、打率.310でベストナインを獲得。日本シリーズではMVPに輝いて日本一に貢献した。2010年にも打率.331のハイアベレージをマークし、2度目の日本一と日本シリーズMVPとなった。2016年にFA権を行使して楽天に移籍。故障や目の不調に苦しみ、今季は26試合出場に終わっていた。来季からは育成コーチを務める。

○美馬学投手(FA→ロッテ)

 東京ガスから2010年ドラフト2位で入団。1年目の2011年に救援で23試合に登板すると、2年目の2012年にローテーションに定着して8勝。2013年の日本シリーズでは2試合に先発し、11回2/3を無失点に抑えて2勝を挙げ、球団初の日本一に貢献。MVPにも輝いた。9年間で2桁勝利は2017年の11勝のみだが、安定した成績を残してきた。国内FA権を行使してロッテに移籍。通算185試合51勝60敗5ホールド、防御率3.82。

○嶋基宏捕手

 國學院大から2006年大学生・社会人ドラフト3位で入団。1年目の2007年から125試合に出場し、球宴にも選出。2010年には打率.315をマークし、ベストナイン、ゴールデン・グラブ賞を受賞し、球界を代表する捕手に。東日本大震災が発生した2011年には「見せましょう、野球の底力を」とのスピーチで注目を集めた。今季は腰痛の影響などで自己ワーストの57試合の出場にとどまっていた。

○フランク・ハーマン投手(自由契約)

 2017年にフィリーズから加入。1年目は56試合に登板し、3勝1敗1セーブ33ホールド、防御率2.72と活躍。昨季は守護神も務めるなど47試合で18セーブ、今季も50試合で21ホールドと安定して成績を残した。NPB通算153試合10勝7敗19セーブ66ホールド、防御率2.59。保留者名簿に記載されずに自由契約となったが、再契約の可能性を残している。

○ルイス・ヒメネス内野手(自由契約)

 エンゼルスや韓国プロ野球(KBO)LGでプレーし、メキシカン・リーグのメヒコから今季、育成契約で加入。開幕前に支配下登録されたが1軍出場なしに終わった。保留者名簿に記載されずに自由契約となり、退団が濃厚となっている。

2009年ドラフト1位戸村は打撃投手、高卒2年目で戦力外の西巻はロッテへ

○戸村健次投手(戦力外→打撃投手)

 立教大から2009年ドラフト1位で入団。2015年には37試合に登板(18先発)し、7勝11敗1ホールド、防御率3.84の成績を残したが、その後は故障がちに。昨季は打球が顔面に直撃するアクシデントもあり2試合、今季は6試合の登板に終わっていた。通算107試合17勝25敗1ホールド、防御率4.35。来季からはチーム運営部に所属し、打撃投手を務める。

○西宮悠介投手(戦力外→打撃投手)

 横浜商科大から2013年ドラフト5位で入団。1年目の2014年から46試合に登板し、3勝0敗2ホールド、防御率3.17の成績を残した。その後は2軍暮らしが多くなり、今季は14試合で防御率7.71で終えていた。来季からはチーム運営部に所属し、打撃投手を務める。

○今野龍太投手(戦力外→ヤクルト)

 岩出山高から2013年ドラフト9位で入団。1年目から5試合に登板したものの、2年目の2015年に右膝半月板を故障してオフに育成契約へ移行した。2017年開幕直後に支配下再登録されたが、3年間で8試合の登板に終わっていた。

○西巻賢二内野手(戦力外→ロッテ)

 仙台育英から2017年ドラフト6位で入団。昨季は高卒1年目ながら25試合に出場し、19安打3打点、打率.247をマークしたが、今季は2試合の出場だった。ロッテの秋季キャップでテストに合格し、入団が決まった。

○島井寛仁外野手(戦力外)

 熊本ゴールデンラークスから2012年ドラフト5位で入団。2014年オフに育成契約となったが、2017年にイースタンで盗塁王を獲得して支配下として再契約した。昨季は主に代走として49試合に出場して6盗塁をマークしたが、今季は10試合の出場だった。

○橋本到外野手(戦力外)

 仙台育英から2008年ドラフト4位で巨人に入団。2014年は開幕スタメン入りして103試合に出場。打率.256、11盗塁の成績を残した。昨季は1軍出場なしに終わると、オフに金銭トレードで楽天に移籍。しかし今季は11試合の出場で9打数無安打の成績だった。

○卓丸(矢尾板卓丸)外野手(戦力外→巨人育成)

 聖光学院から2014年育成ドラフト1位で入団。2017年途中に支配下登録に移行すると、2018年に1軍デビューして7安打を放った。戦力外となったが巨人と育成契約を結んだ。

○野元浩輝投手(戦力外)
○井手亮太郎投手(戦力外)
○鶴田圭祐投手(戦力外)
○山田大樹内野手(戦力外)
○森雄大投手(戦力外→育成契約)
○池田隆英投手(戦力外→育成契約)
○福山博之投手(戦力外→育成契約)
○耀飛外野手(戦力外→育成契約)(Full-Count編集部)

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