12月18日、ACOフランス西部自動車クラブは2020年6月10~14日に行われる第88回ル・マン24時間レースにおいて、従来の予選方式を変更するとアナウンスした。ふたつのステージからなるノックアウト方式を新たに採用し、ポールシッターを決定する最終予選は“ハイパーポール”と呼称される。
WEC世界耐久選手権のハイライトであるル・マンではこれまで、2時間にわたる予選セッションがレースウイークの水曜から木曜日にかけて計3回行われ、この3セッションのなかで記録したタイムで決勝のスタートグリッドが決められていた。
しかし、来年6月に行われる2020年大会ではこの予選方式が一新。予選セッションは10日(水)23時15分から行われる45分間の予選の後、各クラス上位6台に入った車両のみが翌日に実施されるハイパーポールに進むことになる。
ポールポジション以下、LMP1、LMP2、LM-GTE Pro、LM-GTE Am各クラスの上位6グリッドを決定するハイパーポールは11日(木)21時にスタート。30分間で争われるこのセッションでは、各車ともガレージに戻ることは許されない。ただし、予選と決勝レースに割り当てられた制限内であれば、装着するタイヤを自由に選択することは可能だ。
なお、ハイパーポールに進出が叶わなかった車両は、水曜の予選セッション記録されたタイムを基に各クラス7番手以降のグリッドに収まることになる。また、予選タイムはWECのシリーズ戦で採用されている、ふたりのドライバーの平均タイムではなく従来のル・マン予選と同様に、ひとりのドライバーの最速ラップが採用される。
「それらはすべて2020年のル・マン24時間で変わる」と語るのは、ACOのピエール・フィヨン会長。
「新しい予選フォーマットと、ハイパーポールで見られるであろう24人のドライバーによるポールポジション争いは、ドライバーと観客のどちらにも刺激的なセッションになることを保証する」
「完璧なラップを目指し真のスピードを発揮するため、アドレナリン、サスペンス、集中力はどのチームでも最高潮に達することだろう」
「それは13kmの象徴的なトラックで24時間に渡って続くバトルのプレリュード(前奏曲)になると考えている。ル・マンは週末だけの催しではなく、ふたたび数日間続くレースの祭典となるのだ」
LMP1規定のラストイヤーに大きなフォーマット変更が行われた2020年のル・マン24時間。改定後の予選スケジュールは以下のとおりだ。
■2020年ル・マン24時間レース スケジュール
6月10日(水)
15:30~20:00:フリープラクティス1
22:00~23:00:フリープラクティス2
23:15~24:00:予選
6月11日(木)
17:00~19:00:フリープラクティス3
21:00~21:30:ハイパーポール
22:00~24:00:フリープラクティス4
※日本時間は+7時間