食品加工の指導者育成 県の研修会始まる

加工する野菜を洗って殺菌する受講者=19日午後、宮崎市佐土原町

 食品加工に初めて取り組む事業者らへの指導法や、失われつつある伝統的な技術を受け継いでもらおうと、県は本年度から「食品加工技術アドバイザー」の育成に乗り出した。今月から研修会が始まり、素材ごとに適した処理や機器の操作方法を学んでもらっている。
 県食品開発センターによると、昔から伝わる加工技術で製造される菓子や漬物などは、製造者の高齢化により減少し、消滅の危機にあるという。そこで、同センターの職員に代わって技術の指導や承継を支援する人材を育て、就労機会を求める移住者らに技術を指導してもらうことにした。
 研修会を受講しているのは、野菜ソムリエや調理師資格を持つ人など10人。19日にあった研修会では、衛生管理の基礎や来年4月から義務化される新たな食品表示などについて学び、野菜類の殺菌処理のほか、カボチャのペーストやアスパラガスの水煮など1次加工品の製造に取り組んだ。10人は来年1月29日までに計8回の研修を受け、認められればアドバイザーとして活動することになる。
 同センター食品開発部の平川良子部長は「食品加工に初めて取り組む人に分かりやすい指導方法を身に付けて支援し、本県の加工食品のレベルアップにつなげたい」と話した。

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