島原工業高生 おもちゃ修繕 丁寧に磨き、ニス塗り直し

宮脇館長(右)に修繕したおもちゃの説明をする城川さん(左)と松尾さん=島原市、雲仙岳災害記念館

 雲仙岳災害記念館(長崎県島原市平成町)の室内遊び場「こどもジオパーク」に設置している木製の遊具やおもちゃの色落ちや摩耗、部品の欠損を、県立島原工業高(蒲川俊浩校長、321人)の生徒らが修繕した。
 同館は昨年4月に大規模リニューアル。平成新山の形をしたトランポリンなど大型遊具を備えた「こどもジオパーク」を新設した。その際、同校は生徒らが製作した15種類、約100点の木製遊具やおもちゃを寄贈。設置から約1年半が経過し破損や傷みが進んだため、同館が製作者の同校に修復を依頼した。
 建築技術科3年の生徒ら計11人が、9月から11月末にかけて課題研究の授業や部活動で作業に取り組んだ。修繕したのは、2人用シーソー(長さ約1.2メートル)や、キリンやヒツジなど動物の形をした車輪付きおもちゃなど11点。車輪が外れたり、表面が摩耗したりしていた。
 生徒らは欠損した部品を取り付け、塗装のはげや色あせ、凹凸を直すためにやすりがけやニスを塗り直すなどして新品同様に仕上げた。車や機関車などの木製おもちゃ15点も新たに製作。教諭が機械式のこぎりを使い木材を加工後、生徒が時間をかけて紙やすりで磨き完成させた。
 13日、同館であった引き渡し式には、同校の生徒や教諭ら約10人が参加。同科3年の城川雷斗(らいと)さん(18)と松尾崇汰さん(18)が宮脇好和館長に手渡した。城川さんは「紙やすりで何日間も磨く工程が大変だった。子どもたちが楽しく遊んでくれれば作ったかいがある。手直しや製作を続けていけるように後輩に引き継ぎたい」と話した。

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