生産者の輸出を支援 雲仙市とウマミル 協定

協定を手に握手を交わす佐藤代表(右)と金澤市長=雲仙市役所

 雲仙市は19日、生産者や食品業者と海外バイヤーなどを仲介する輸出支援会社「umamill」(ウマミル、本社東京)と輸出事業連携に関する協定を結んだ。同社は「言葉の壁やコストの不安などを解消し、誰もが海外輸出に挑戦できる場を提供したい」としている。
 同社は、通信大手ソフトバンクのグループ会社で4月に設立した。インターネット上で国内の生産者や食品業者の商品情報を海外向けに発信。閲覧した海外バイヤーからの依頼に応じ、同社が仲介役となって生産者からサンプルを取り寄せ、海外に発送する。
 生産者側のサンプル輸出は週1回。費用は1回1万円で、2回以上でも月2万円の定額。初期費用や登録手数料はなく、少ない投資で輸出に挑戦できる。現在、国内約220社の千商品以上が登録されている。シンガポール向けにサービスを展開しており、取引先は約130の店舗とバイヤー。来年以降、順次他国に展開していく。
 同社は北海道や京都府の自治体などと連携協定を締結。雲仙市は9件目で九州では初めてとなる。市は市内生産者や加工業者向けの勉強会などでサービスの周知を図り、市内産品の販路拡大を目指す。
 雲仙市役所であった締結式で、佐藤晶洋代表は「世界中で日本食の需要が高まっている。雲仙市の魅力ある食材を海外に発信したい」と述べた。金澤秀三郎市長は「市内には小規模業者が多い。多くの農家や生産者が挑戦してくれることを願う」と期待を寄せた。

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