メッツが故障続きの主砲・セスペデスのトレード放出を検討か

メッツとの契約内容の見直しに同意したヨエニス・セスペデスだが、来季の基本給が大幅に下がったことにより、セスペデスをトレードで獲得することに興味を示す球団が現れているという。もともと2950万ドルだった来季の年俸は「1000万ドル以下+出来高」という形に変更されることが報じられており、メッツのもとにはトレードでの獲得について問い合わせが届いているようだ。

現在34歳のセスペデスは、メッツと4年1億1000万ドルの契約を結んだ際に、全球団に対するトレード拒否条項を契約に盛り込んでいた。しかし、1年後にフリーエージェントとなることを考えると、好条件の契約を得るためには健康にフルシーズンを過ごして好成績を残す必要があり、健康状態に不安を抱えるセスペデスにとって、指名打者制のあるアメリカン・リーグの球団への移籍は理想的なものであると言える。ホワイトソックス、レイズなどが指名打者の補強を検討していると見られる。

また、メッツにとってもセスペデスをトレードで放出することは決して悪い話ではなく、メッツは現在、不安を抱えるブルペンの補強を行うために年俸1000万ドルのジェッド・ラウリーの放出を画策している。しかし、セスペデスを放出してしまえば、ラウリーを無理に放出することなく、ブルペン補強の予算を捻出することができる。

トレード成立に向けての障壁となるのは、セスペデスの健康状態だろう。2017年に81試合、2018年に38試合しか出場できず、今季を全休したセスペデスがどの程度プレイできるのかは、来春のスプリング・トレーニングを迎えるまでわからない。メッツのブロディ・バンワグネンGMは「彼はベストの状態であれば、大きなインパクトをもたらすことのできる選手だ」と話しているが、健康にフルシーズンを過ごせる保証がない以上、セスペデスをトレードで獲得するのは大きなギャンブルとなる。

ESPNでアナリストを務めるエドゥアルド・ペレスによると、セスペデスは「準備はできている。40本のホームランを打つだけではなくて、140試合以上に出場するつもりだよ」と話していたという。セスペデスを獲得するという「ギャンブル」に打って出る球団は現れるのか。今後の動向に注目したい。

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