ありえない?海外ではもっと広い「friend(フレンド)」の定義

ロンドンの語学学校で、自分の「great friend(グレート・フレンド=親友)」が誰なのか、そしてその理由を順番に説明する時間がありました。そのなかで気づいた、「friend(フレンド)」の定義の思わぬ広さをお伝えします。こんなところにもカルチャーギャップがあったとは!

「great friend(グレート・フレンド=親友)」は誰?

スペイン人女性は、いつも一緒に遊んでいる友人の名前を挙げました。隣に座る筆者は、一番連絡をとっている友人の名前を挙げました。

そして、ブラジル人女性は「母です。毎日連絡をとって、なんでも話しています」と発言しました。続いてブラジル人男性は、「素晴らしい祖父が親友でした。でももう亡くなってしまって。いまは妻と息子が親友です」と回答。

家族が親友って・・・?ブラジルは、一番連絡をとる、話をする機会が多い人を親友と思う国なんだなとこのときは思ったのですが。

しかし、続くポーランド人男性が、「母国にいる7歳上の兄です」と言ったのです!

同じ言葉を話すブラジルとポルトガルならまだしも、ポーランドとなると、筆者も混乱してしまいました。

そこで、先生に質問。「先生、親友って家族でもいいんですか?」すると、イギリス人の父とアイルランド人の母を持つ先生は、「もちろんいいんだよ。一番仲良しってことだから。犬だって猫だっていいんだから。」という答えでした。

友達って!?

たしかに、海外映画では、犬が親友とか、よく見かけたような気はします。

そして思い出されるのは、キャプテン翼の「ボールは友達」。でもあれは比喩であって、日本では、友達は、生物、そして肉親以外の人間を指します。

念のため、デジタル大辞泉で「友達」を検索すると、「互いに心を許し合って、対等に交わっている人。一緒に遊んだりしゃべったりする親しい人。友人。朋友(ほうゆう)。友。」とあります。

日本人の感覚としては、父も母も「対等に交わっている人」ではありません。年上の兄弟も、年長を敬う儒教の教えが根底にあるので、基本的には「対等に交わっている人」ではありません。

手元の三省堂のウィズダム英和辞典で、「friend(フレンド)」を検索すると、「ペットなどにも用いる」「語源は愛する人」という注意書きもあります。

この語源を考えると、家族が親友もちょっとありえるような気もしてくるのですが。

よくある簡単な言葉でも、国によって定義が違うとは。言葉って難しいですね。

(参照)

コトバンク

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