日本に帰国して感じる 「逆カルチャーショック」体験を告白【4】日本のユニークなクリスマス&年末年始の過ごし方

今年も残すところあと僅かとなりました。日本に帰国して感じる「逆カルチャーショック」体験をお届けする本連載の第4弾のテーマは、12月のビッグイベント、クリスマスと年末年始の過ごし方についてです。実は日本のクリスマス〜年末年始の過ごし方は、外国と比べずいぶん独特な点が多く、久々の日本は面白いなと感じることばかり。どんなことが意外なのか、詳しくご紹介します。

クリスマスは普通に仕事

キリスト教徒が多い国では、クリスマスは一年の中でも一番と言っていいほど大切な日。教会に行ったり、家族で時間を過ごしたり、大切な人と一緒に過ごす特別な日です。多くのお店は休業したりスーパーなども時短営業をしたり、その日ばかりは仕事第一では無くなります。しかし日本では25日はクリスマスであっても普通に仕事をする日。日本におけるクリスマスは素敵なイベントであって、「大切な一日」とは少し違うんだなと感じます。

クリスマス=独り身には辛いイベント?

日本ではクリスマスの後にすぐお正月があるので、クリスマスはよりロマンチックな雰囲気のある恋人達の日、という位置付けになっていないでしょうか。またクリスマスに独り身であるのは寂しいことだから、急いででも一緒に過ごす相手を見つけるべき!というような風潮もあるのではないでしょうか。クリスマスが一大イベントの海外では、仮にキリスト教徒ではなくともクリスマスは家族が集まってその年の幸せに感謝する締めくくり的な位置付けであり、恋人達のためのロマンチックな日、という印象は強くありません。

クリスマスの定番フードがフライドチキン!?

この時期になるとクリスマスのパーティフードとしてお馴染みのフライドチキンの広告をよく目にするようになります。海外ではフライドチキンでお馴染みのKFCはファストフードという位置付けが強く、なぜクリスマスのような特別な日にファストフードを食べるんだ!と驚きます。ただ日本のフライドチキンはファストフードとはいえ丁寧に作られていて、特別感も強く実際美味しいのも事実ですよね。

休みが待ちどおしい年末

クリスマスは平常運転の日本ですが、その後にやってくる年末年始の休みは長く、帰省したり旅行に行かれる方も多いのではないのでしょうか。筆者のいたアメリカでは、25日のクリスマスが終わったら年末までまた一仕事、元旦の休みを挟んで2日からは仕事復帰というスケジュールだったので、年末のゆっくりした感がありませんでしたが、日本では今年の年末は何連休かな?と休みが待ち遠しく感じられます。

「日本」を感じるイベントが凝縮

クリスマスが終わると、いよいよ年末年始に向けての準備に慌ただしくなります。これらのイベントの一つ一つには、本当に日本らしさが詰まっているなと感じます。年明け前に大掃除をしたり、大晦日には年越しそばを食べたり、お正月のご馳走やおせち料理を食べたり、初日の出を見に行ったり、初詣に行ったり、この時期ならではの日本特有の文化が盛りだくさんです。

海外に住んでいると、クリスマスが終わると盛り上がりのピークは過ぎるため、日本のような年末年始のイベント満載感は薄れていくんです。日本に住んでいた時、毎年何となく行ってきた年末年始の習慣は実は日本独自の文化と深く紐づいていて、その歴史や意味を改めて知ると面白いことばかりだな〜と、改めて感じます。

国が変われば年末年始の過ごし方も変わります。クリスマスから年末年始までイベントが盛りだくさんな日本の12月は、日本独特の文化を楽しみながら過ごせる素敵な時間。大切に過ごしていきたいですね。

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