Dバックスの奪三振マシン・レイがトレード市場の注目株に

フリーエージェント市場から有力な投手の大半が消えたことにより、先発投手の補強を狙うチームはトレード市場にも目を向け始めている。そのトレード市場で多くのチームから注目を集める存在になると見られているのがロビー・レイ(ダイヤモンドバックス)だ。来季終了後にフリーエージェントとなるレイは、ダイヤモンドバックスがマディソン・バムガーナーを獲得したことにより、今オフ中に放出される可能性が取り沙汰されている。

現在28歳のレイは、今季33試合に先発して自己最多タイの174回1/3を投げ、12勝8敗、防御率4.34、235奪三振をマーク。2ケタ勝利は2年ぶり2度目、200奪三振は2年ぶり3度目で、235奪三振は自己最多の数字だった。年俸調停期間のラストイヤーとなる来季の年俸は1080万ドル前後になることが予想されており、先発2~3番手クラスの実力を誇る左腕を適度な価格で保有したいチームにとって、非常に魅力的な存在であると言える。

レイの特徴は何と言っても空振り率の高さであり、2017~2019年の3年間で被スイングが2000回以上の142人の投手のなかで、空振り率33.3%はブレイク・スネル(レイズ)と並んでメジャー1位の数字。マックス・シャーザー(ナショナルズ)やクリス・セール(レッドソックス)といった奪三振マシンを上回っている。また、同期間のアウトに占める三振の割合も31.9%を記録しており、これはセール、シャーザー、ゲリット・コール(ヤンキース)、ジャスティン・バーランダー(アストロズ)に次いでメジャー5位にランクインしている(300投球回以上の115人の投手が対象)。

今オフは先発投手市場が充実していたものの、エンゼルス、アストロズ、ブリュワーズ、カージナルス、ツインズなどが有力な先発投手を獲得できておらず、レイの獲得に動く可能性があると見られている。与四球と被本塁打が多いという欠点もあるが、メジャートップクラスの三振奪取能力は非常に魅力的であり、ダイヤモンドバックスが放出に踏み切るのであれば、激しい争奪戦が繰り広げられることになるだろう。

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